私のC57

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upload 2011/7/29
HOゲージのC57です。

この機関車です。

これは40年以上昔の写真です。
若かりし頃に、自作したC57です。
このTMSのスタイルブックの
このページを見て設計して、適当にでっち上げたC57です。

ほとんどスクラッチビルとで、ボイラーは真鍮のカーテン棒です。
購入したパーツは、動輪類とドーム、コンプレッサー煙突など僅かなパーツで後は自作です。

ロストワックスなど無かった時代で、あったとしても、お金が無いので買えなかったでしょう。

R356を通れるように改造したい!
長年使わなくて、この数年はバラバラの状態でした。

何故バラバラかというと、この機関車を私のレイアウトで走らせたい。

ということはR356を曲がれるようにしたいということです。

でも、できるかどうかは解りません。
これがR356です。

まず動輪が線路に乗らなければなりません。

そのためには台枠の幅を狭める必要があります。

できるだけ大層な工作はしたくないので、台枠をやすりで削り、幅を狭めました。

これで、動輪の横動きが確保され、なんとか線路の上に乗るようになりました。
工作をしていてハッと気がつくと、いたるところにナットを半田付けしてあります。

ということは、当時タップを持っていなかったのだ。

タップなしに蒸気機関車を作る、なんという恐ろしい。

いや、それぐらいお金が無かったのです。
さて、動輪がなんとかなればいよいよ問題の先台車と従輪。

先台車は線路に乗りません。

従輪は動かせば、即脱線。
実はこの従台車、ほとんど半田付けだけで組み立ててあるのです。

従台車の振れを良くしようと、左端のネジ穴を大きくしようとしたら、あっちがぽろぽろ、こっちがぽろぽろ半田付けが外れて、バラバラに近い状態になりました。


修理しながらの工作です。
ポイントの線路の僅かなズレ
伸縮レールの段差
従台車をつけて線路にのせると、すぐに脱線します。

原因はこの線路のズレです。


でもこれぐらいで脱線してもらっては困る。
C57
昔の車輪

フランジが立っている。
タイヤとの間にRが無い。
カトーの車輪

フランジはかなり斜め。

エンドウ?
日光?

フランジは斜め
メルクリン

大きいが急カーブをトレースする様に端に向かってカーブしている。
そこでフランジ形態を調べました。
フランジが立っているので、線路の僅かなズレに乗りあげるのでした。

そこで、エンドウの車輪を購入。

しかし、メッキでピカピカ。
何じゃこれは!日本の模型の最悪の風習。
(ヨーロッパの車輪は皆、黒メッキか黒塗り)

まあ、黒く塗ることにしよう。
         従台車取り付け部は真ん中を高くして、かるくかまぼこ型にしました。

従台車の捻じれをゆるすようにです。
できるだけ、簡単に改造と思ったのですが、あちこちの半田付けが外れて修理が多いので塗装を剥がさないと対応できない。


容器に車両を入れシンナーをかけました。
かなり色がはがれて来た。
数日かかって色剥がし終了。
機関車とテンダー。

急カーブではこんなにずれます。

テンダーとのドローバーです。

急カーブでは、機関車側の支点はこんなに線路の外側になる。

ということは、力がとんでもない方向に向き脱線の元になると言う事。

そこでドローバーを交換。
ドローバーの機関車側の支点をできるだけ動輪側に寄せました。

大きなネジが見えているのが支点です。

当然、ドローバーも長くしました、元の倍以上あります。

このドローバーがどこかに当たらないか、結構微妙なところです。


上から見ると、ドローバーが自然な位置になっているように見えます。

これでカーブで無理がかからないはず。

なお、ヨーロッパの製品はこのような機構の上にさらに伸縮式にしてあり、さらに配線までドローバーに通しているのも良くあります。

伸縮式にしたかったのですが、設計も難しいし、工作も難しいので、これで堪忍。
ドローバーの先は中央が厚く、周辺が薄くなるようにしました。
テンダー側のドローバーを受け台です。こちらもすこしかまぼこ型に中央を高く左右を低くしてあります。
これらは、機関車とテンダーの左右への捻じれを許すようにするためです。
さて、ここらで動輪のイコライザーを取り付け。

元々あったのですが、ガタガタだったので、修理しました。
前輪にはイコライザーはありません。
真ん中に支点を付ければ3点支点になるはずですが、取りあえずこのままで4点支点。
車体の傾きを見ると、かなり後ろが上がっています。

イコライザーを少し削って調整、ボディー取り付けねじ穴を長穴にして調整、でまあまあで我慢しましょう。
ロッドを取り付けました。
勿論ロッドも昔、手作りした物で、ロッドの力強さを狙って厚めの板で作ってあります。


でもって、うまく回るか心配だったのです。


ところが、一発でスムーズに回転。

ほっとした瞬間です。

なにせロッドでは今まで苦労しているので。
いよいよ最大難関と思われる先台車です。

R356に乗せると、このように全く線路に乗りません。

横にはシリンダーがあるし、さてどうしよう。
ちなみにリリプトの同じクラスの機関車。
楽に先輪が線路に乗っています。

このメカニズムを拝借しよう。
   左がリリプト、右がフライッシュマン。
リリプトは普通の方法、フライッシュマンは台車の後ろの台枠が同じ構造になっていました。

フライッシュマンは集電シューもあります。
リリプトとほぼ同じ構造なので、長穴を広げる程度にとどめて、
台車の上がシリンダーに当たるので、思い切り削って、
シリンダーもできるだけ削って、
かろうじてR356の線路に乗ったかなという状態までこぎつけました。

これで何とかするか、それとも先台車を作り直すか、今後の試運転次第です。

モーターは天賞堂のC55のモーターです(C55はコアレスに変えたので余っていた)。

それに真鍮パイプを被せて径を太くして、フライホイール(だるまや??)を付けました。

今まで何度も書いたように、絶対にフライホイールが欲しい派ですから、なんとしてもつけます。
モータ受けを作って、取りあえずタコ糸でモーターを固定。

ギヤは初めから付いていたもので、27:1です。

動輪径21.5mmなので、私の経験理論からは40:1のギヤ比が欲しいところです。

やはりスローは満足できませんが、まーまーこれで我慢しようかというレベル。
ボディーを被せると、なんじゃこりゃ。

モーター受けが広すぎて、ボディーがかぶさりません。

これでも、無理やり走らせているのですが、モーター受け作り直しです。
モーター受けを作り直して、モーターとウオームの軸が一直線になるように調整して(実は台枠が曲がって作られていたので修正に大苦労)、
軽く動くようになりました。

そこでロッドを付けたら、モーターなしでは軽く転がったのに、今度はロッドが引っ掛かって回りません。
何故ロッドが引っ掛かるようになったのか考えました。
そして組み立て時に車輪の位置が変わったのではないか、とおもって第1動輪と第3動輪を入れ替えると、スムーズに動きました。

ばんざーい。

車輪を入れ替えるだけで違うのですね。
そこで、先台車を付けてカーブにかかると、
えらいことです。

ボディー無しでは綺麗に走ったのに車輪が浮いています。

原因は写真で良く分かります。

車輪がステップに当たっているのです。

ペンチでステップを広げて修正。
形より走りだ!
先台車は一応OK。

しかし、左カーブはスムーズなのだが右カーブでショートする。

調べると絶縁側の先輪がシリンダーの前部に当たっています。

そこでシリンダーカバーをプラバンで作りました。

ドレメルで丸く仕上げている所。
真鍮製をプラバン製に交換します。
これで、車輪が擦れてもショートしなくなりました。

でも、この近辺を半田付けするときに、熱で溶かさないように気を付けなければ。
先台車は一応完成して、R359を曲がれるようになったのですが、我がレイアウトのポイントが連続している所でたまに脱線します。

そこでいつもの手、フランジを大きくします。

この貨車の車輪を流用します。
この車輪は軸径が細いので3ミリの太さになるように、パイプを差し込みました。
このパイプ、外形は都合が良いのですが内径が狭くて車軸が入らないので。ドリルで中をさらっています。

しょうもないことに手間がかかっています。
裏側です。

車輪を交換して、鉛の重りを入れています。
急カーブではバネで押えるのは良くないようです。

C57の先輪はスポークでは無いでしょうが、どんな線路でも脱線しないように我慢です。

もっとも今までの車輪も使えるので写真撮りや緩いカーブではそちらを使います。
台車の中心ピンもネジでは抵抗が大きいのでパイプを入れました。
ボイラーの下です。

発煙装置を付けます。
右下にゾイデの発煙装置があります。
これを入れる大きな穴を開けました。

と簡単に書きましたが、ここに下回りを止めるネジがあったので、下回りを止める構造そのものから改造していますし、先台車のピンも関係しているので、簡単では無いのです。
発煙装置が入りました。

この固定と後ろに出ている電極の配線と絶縁をどうしよう。

なお、連結器は先台車に当たるので外しました。
さて、スローがもう一つなので、キャノンコアレスモーターに変えました。

フライホイールを付けるスペースが無いのでフライホイールは無し。

コアレスのお陰で多少スローは良くなったようです、が、
ギヤボックスからモーターへの支えを作って、かなりスムーズに走るのですが、まだスローがもう一つ。

いかんせんギヤ比が27:1では足りません。

ゆっくりじわーと動輪が回り出すためには、幾らモーターを良くしても追い付きません。

そこで、ギヤを交換したいのですが、ギアは手持ちにあるものの、ギアボックスを作る自信は無いので、これで我慢。
配線です。

当然、DCCです。左のコネクターが機関車への配線。

8ピンがデコーダーへの配線用です。

もちろん裏にはそれなりの配線をしました。


機関車からの配線です。端にコネクターを付けました。


コネクターをテンダーの中の基板につながなければならないので、テンダーにコネクターを通せるだけの穴を開ました。

泣く泣く大穴を開けたのですが、こういう場合どうしたらよいのでしょう?
ESUのLokSound V3.5です。

シュッシュポッポの音も素晴らしく、スローもかなり良く効いて走り出しました。

大成功。

と思ったら、止まる寸前に一瞬猛ダッシュしてから止まります。

こんな現象は初めてで、走り出しも、スロットルが1の状態でダッシュする様です。

ちなみに、LokProgrammerにつないでテストすると大丈夫です。
CS2との相性かもしれません。??????

コアレスとの相性かと思って、周波数などを変更してもたまに起きます。

そこで、またまた、モーターを交換。
元に戻して、飛び出しは無くなりました。

スローもまあまあ許せる程度です。

と、と、と、所が
色々やっているうちに、音がしない!!
シュッシュの音は出るのですが、汽笛や他の音が出ない!!

デコーダーが壊れた!
一応走るのですがね、

車輪類の黒染めです。

エコーモデルで黒染めスプレー、トップガードと言うものを買ってきました。どう見ても塗料だと思うのですが、黒染めと書いてあります。

これが高いんですけど、これを車輪や下回りに吹きました。

黒染め?した車輪です。

もちろん踏み面はピカピカに磨き出しました。

簡単にシンナーで落ちるので、やっぱり塗料です。
テンダーです。

DCCのコードを通す穴は、コネクターを通さなければならないのでこんなに大きいのです。

テンダー車輪の絶縁側に集電子を付けます。

ロコから集電するので必要は無いのですが、集電車輪は多いほど良いので付けます。

リン青銅でブラシを作りました。

台車にはプリント基板を切って貼ってあります。
台車に貼り付けたプリント基板に集電子と配線を半田付けしました。

車輪の裏面は黒染めで集電できないので、フランジからの集電です。

なお、台車は3点支点に片側が動くようにしていますが、動かない側を絶縁側にしてシューを付けています。
塗装

暑いと吹き付け塗装は、霧が即乾いて綺麗に塗装できません。

そこで、少し涼しくなるのを待ったのですが一向に涼しくなる気配なし。

ええい、構わないから吹いてしまえ!

マッハで黒Gとシンナーを購入。
 ラッカーがこんなに高いと思わなかった!!
まあ、こんな感じ。

艶出しです。
整備したての感じを出すためです。

実は真鍮表面の仕上げがとても悪いので、凸凹と言うか、皆さんの作品のように綺麗ではありません。

だからこそ艶出し塗装でも、おもちゃみたいにつるつるにならずに、落ち着いた感じになるかと、、、と思うだけです。
ランボードに白線を入れます。
筆を使わずに、タミヤのラッカーをかきまわす棒で塗りました。
モーションプレートにバルブギヤを付けて。

さあ、これでスムーズに走るかどうか心配。

案の定メインロッドが第一動輪のクランクピンに当たったり、多少のトラブルがありました。

完全にスムーズな走行は私の腕では無理なので、ある程度で我慢。

ロッドも完全な自作です。定着液で銀メッキしてありましたが、さすがに剥げたのでやすりで磨きだしましたが、磨き邑で汚い感じがしています。
要修正
動輪押えにブレーキロッドなどを付けました。

第一動輪のブレーキは元々ありましたが、急カーブで先輪に当たるので、ニッパーでプチンと切って、取ってしまいました。

ひょっとしたらブレーキの効きが悪くて責任を取らされるかも。

なお、動輪からの集電を見込んでプリント基板の小片も付けてあります。
ヘッドライトと発煙器の配線です。
ヘッドライト昔ながらの米球。

真ん中に煙室扉を止めるネジ穴があります。
発煙器の配線は緑。
ここは絶縁の必要があるので、発煙器の固定も兼ねて下からゴムで押えます。
ヘッドライトと発煙器の配線は一旦、ボイラー内側の上部にプリント基板を接着しそこで中継してテンダーのデコーダーに配線します。

ここでDCCをやっている人なら気が付くでしょうが、ヘッドライトが青と黄色になっています。

本来はヘッドライトは白で黄色はテールライトです。

案の定バックの時にヘッドライトが点くようになってしまいました。
機関車からテンダーへの配線。
モーター系とヘッドライト系の2つに分かれています。
ソケットも2つ。

目立つ部分を黒く塗りました。
配線を終わってヘッドライトを点灯すると、

ひどい光漏れ。

そこで皆さんがされているように、煙室扉の内側につばを付けました。
ヘッドライトのライトガイドを透明プラのランナーを利用して作りました。

これは、前面をピカールを付けて磨いている所。
多少光漏れはありますが、これで堪忍。

ナンバーが傾いているのは扉を傾けて差し込んだからで、差し込み直して修正しました。

テスト中にデコーダーを壊してしまったので、新たにESUの LokSound V 3.5を購入。すでにV4.0が出回っているのですが、わざわざ古いタイプのV3.5を買ったのは、使い慣れているから。
サウンドファイルは、ドイツ型の蒸気機関車(機種は忘れました、ごめん)に、友人からもらった日本の蒸気機関車の汽笛のサウンドファイルを組み込んで作りました。

LokProgrammerでサウンドファイルを入れます。



サウンドをデコーダーに送っているところ。
デコーダーをテンダーに積み込んでいます。

機関車からの配線が見えます。

デコーダーは右下にちらっと見えていますが、空いたスペースに適当に詰め込んで、石炭で蓋して終わり。

はーい、完成でーす。

まあ作りはこんな物です。

これで、R356をちゃんと回ります。

じ実は、 天賞堂のプラのC55、、 C57と殆ど同じ機関車ですが、ほんの僅かな改造でR356を回るのです。 
なにか大苦労してC57を改造したのにがっかりの気もしますが、真鍮製の機関車が急カーブを曲がれるようになったと思って満足しましょう。
R356を通過中。

ドラフト音と煙を吐いて、汽笛も重々しくC57の牽く列車が快走します。

終わり

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