レマコのポイントマシン

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upload 2009/12/16

レマコのポイントマシンの取り付け方について。
レマコのポイントマシン。

モーターでウオームギヤを通してプラスティックのレバーが動きます。

その穴に真鍮線で作った連動レバーを入れてポイントを動かします。
これが連動レバーの形状です。

上がポイント、下がポイントマシンにつながります。
上から見るとこういう形になります。
しかし、このつけ方には非常に難しい点があります。

1) Fig.5 レバーの上が19mmとあるが、このレバーはこの長さで曲げたものが初めから入っている。下はストレートである。そうしないとパイプに入らない。

取り付けには、ポイントレバーの中央の穴と、このアームを通すパイプの距離をきっちり19mmに合わせなければならない。
 パイプ穴は枕木にかかったりするのできっちり明けるのは難しい。
もし、この距離が少しでも狂うと、ポイントの穴に入らない。

2) ポイントの穴に入ったとして、レバーの動きはパイプを中心とした円弧を描く。しかしポイントのレバーは平行に動くので、穴に遊びが無いと幾何学的にも動かない。
 ここに、かなりの無理がある。

3) レバーはポイントの穴に浅く入るだけなので、上にすっぽ抜ける可能性がある。
 下面にレバーを下方向に引くばねを付ける方法もあるが、現実問題難しい作業になる。

4)レバーの下側はパイプに入れるために直線になっているので、ポイントマシンに取り付けるためには、Fig.5 の下半分のように、2回直角に曲げなければならない。 レイアウトの下で、かつレイアウト基板の近くで直角に真鍮線を曲げるのは至難の業である。

5) 最後に、4)で曲げたレバーにポイントマシンのプラスティックのレバーの穴にこの真鍮線を入れる。 このとき、Fig.5 の下半分のように、きっちり直角に曲げてしまってはプラスティックのレバーの穴に入れることはできない。従って、4)の作業はポイントマシンを取り付けてから、真鍮線をだましながら曲げると言う作業になる。

6) ポイントマシンの取り付けはポイントマシンのプラスティックレバーの動く方向と、真鍮レバーの動く方向を一致させるように取り付けなければならない。 けっこう難しい作業である。
なお、この可動方向もレバーは円弧でマシンのプラスティックレバーは直線であるので、穴を長穴にして、遊びを作る必要がある。 レマコのマシンに明いている長穴は小さくて、付属の真鍮レバーが入らない。穴を大きくする必要もある。


以上の方法で、取り付けても、どこかに誤差があると動かない。マシンのモーターに大きな負荷をかけることになり、場合によってはモーターを焼き切るかもしれない。
これはウオームギヤを使っていることによって、真鍮線の連動レバーのばね効果で、ウオームギヤに力がかかり、ポイントを反転させようとスイッチを入れても、モーターの力が不足して回らないことが起きるためである。

さらに、この方法の良くない点は
1)
基本的に、ポイント、連動レバー、ポイントマシンが一体になっていないことで、それぞれのパーツをばらばらに付けなければならない。そして、その取り付け精度はかなり厳密でなければならない事である。
したがって、裏返して作業が出来る小さなモジュール等では、何とか作業が出来るが、完全に下から上を向いてポイントマシンや連動レバーの工作を行わなければならないレイアウトでは思った以上に手間がかかるうえに、うまく動作しないことが起こり得る。

2) レイアウトを上から見た時に、上の写真のようにレバーが見える。
 そして、さらに車両によってはこのレバーにどこかがぶつかることもある。ケーディーの連結解放棒など典型的に当たる部分である。


ということで、この取り付け方はお勧めできません。

では、どうするか?



篠原模型店から素晴らしいレバーが発売されています。

篠原のホームページから工作見本。
(天賞堂で現物を見ることが出来た)
下図に示すような、エッチングの部品を直角に曲げてポイントマシンの側板に取り付ける。

これに、真鍮パイプを接着し、真鍮線のレバーを取り付ける。
このエッチングのパーツにより、ポイントマシンと連動レバーが一体化される。

なお、真鍮線と真鍮パイプはレマコ附属、もしくは自分で用意する。

レイアウト基盤には1cmほどの穴をあける。
篠原の製品。
エッチングでレバーを取り付ける補助具が作ってある。
これで8個分。これを切り取り直角に曲げてマシンに取り付けるが、マシンの側面に1.4mmのねじで取り付ける。
当然、マシンの横に1.4mmのタップを切った穴をあけなければならない。タップを切らなくてもねじを無理やり入れればプラスティックなので勝手にタップが切れる。

面倒と思うだろうが、これさえやれば、マシンの取り付けは驚くほど簡単になる。
自分で、テストで作った例。

これをレイアウトの下から、レバーがポイント穴に入るようにして取り付ける。

ポイントマシンの配線はあらかじめ半田付けしておく。 上を向いて半田付け出来ないためだ。

補助接点を使用する場合もあらかじめ半田付けしておく方が作業が楽だ。 

いずれも、その先までの配線を先にしておくことは無理なので、どこかで端子を作り端子を経由して先に接続する。

ポイントには写真で見えるレバーの直線部分がポイントレバーの中央レバーに入る。
このレバーの動きが円弧でポイントの動きは直線であるが、このレバーの長さにより、円弧の動きに遊びができ無理は掛らない。
レイアウトへの取り付け。

レイアウト基板に10mm程度の穴を明ける。

この例ではすでにポイントが取り付けてあったので、下から上に注意深く明け、最後は彫刻刀で上に貫通させたので、仕上がりがきたないが、ポイント取り付け前なら上から簡単に開けられる。
ここまでが、ポイントマシン取り付けの準備

ここから私が行った取り付け方を紹介します。


まず、ポイントを中立の位置に止めておく。

このために、写真のような補助具を作った。

使い方は線路の間にはさんで、外れないようにガムテープで止めておく。

この状態で、マシンからのレバーをポイントの穴に入れる。


なお、このような補助具を使わなくても、単にガムテープでポイントを中央の位置に止めておくだけでも十分であった。

次に、ポイントマシンも中立の位置で止めておく。もちろんモーター式なので電源をつないでモーターを回転させて中立の位置に止める。
レイアウトの下からポイントレバーの動く方向に、マジックインクで線を書く。

このとき穴からポイントレバーが見えるので、線を引く方向は分かる。

写真ではきたない線だが、レイアウトの下から上に向かって書けばこんなものだ。

次に、この線とポイントマシンに取り付けたレバーが直角になる方向(ほとんどの場合マシンと線が平行になるはず)でマシンからのレバーをポイントの中央穴にいれ、そのまま上に上げて取り付ける。

マシンを取り付けやすいようにマシンの裏に両面テープを貼った。これで、マシンを押すだけで取りあえずレイアウト基板にひっつく。 
これは上向きに作業しているために、最終的にマシンを止める木ねじの下穴をあけたり、木ねじを取り付けたりするのに、マシンから。手を離したりするからである。

写真に両面テープが写っている
そして、ポイントを中立に止めている補助具を外して、マシンを動かして左右とも同じぐらいのバネ圧になっているのか確認する。 慣れれば、一発でスムーズに動くような取り付けが出来る。

補助接点について

 補助接点の付いているポイントには不要かもしれないが、出来れば補助接点を付けてポイント先端部の接触不良に対応したい。 この例では篠原製のポイントであるが、ポイントに補助接点が付いていたが、ポイント設置時に壊れていたものが多く、そのためもあって全ポイントともレマコの補助接点を使用した。 なお、ポイントを設置したのは私では無いですが、色々あって壊れていたのです。

さて、レマコの補助接点、普通に使うと列車の走行中ショートします。

そこで、補助接点の使い方。
補助接点
ポイント中立の位置。

中立の位置で、補助接点は開かずに、それぞれ横の接点とひっついている。

そして、ポイントが反対にひっついた後で補助接点が動き、回路がつながる。

従って、この一組だけを使って補助接点の配線をすると、ポイント先端は反対にひっついたのに、まだ補助接点は前の線路からの極でつながっているのでショートする。
そこで、補助接点回路は2組使用する。

写真でオレンジの線が、マシンの2つの補助接点の中央につながっている。この線がポイントのクロス部分(先端と同じ線路)につながる。

そして、黄色とピンクの線は、それぞれマシンの補助接点の違う方につながっているが、これらがそれぞれ右レールと左レールにつながる。

すなわち、上の写真の中立で開いている回路のみを使用するのである。

これで、ポイントを切り替えている間もショートしない。


マシンへの配線
前述のように、マシンの補助接点への配線はマシン取り付け前に半田付けしておくのが手際よい。
しかし、すでにマシンが取り付けられている場合上を向いての半田付けは極力避けたい。

そこで、コネクターで行った。
マシンの補助接点と大きさの合う端子を探して購入した。

しかし、写真でわかると思うが、レマコの補助接点端子は中央と両横で厚さが異なる。

両横はうまく挿入出来たが、中央は薄い板である。
そのままでは、端子が簡単に向け落ちる。

そこで、購入した端子を圧迫して、薄い補助接点端子に挿入しても抜けないような開き幅にした。これが案外難しい。幅を狭くしすぎて無理やり入れると補助接点の端子を曲げてしまう。

これらを用いて、上の写真のように配線した。

なおポイントマシン作動用の端子はマシンの台座についている端子であり、これは線を半田付けする以外に方法は無い。

ちなみに、上下にある補助接点の下側2つは、マシンのモーターの回転を止めるために使用しているものであり、他への使用はできない。


こうして、マシンがうまくつくと、ポイントの転換はモーターの回転に合わせてゆっくり動く。
見ていて気持ちが良い。 

最後に
レマコのマシンの欠点を上げておきます。
最大の欠点は、手でマシンを動かせない。かならず電源を用意してモーターを回転させなければテストすらできない。
 そして反転させるにはプラス、マイナス反転させなければならないので、取り付けにはパワーパックを用意しておくと良い。

それから、モーターとギヤの音が相当大きいことも付け加えておきます。 でも音がするので切り替わったのが分かって安心かも。


おわり

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