車輛のセンサー

鉄道模型教室に戻る

upload 2013/4

レイアウト等で、信号を変えたり、踏切を動作させたり、自動運転をさせたい時等、車輛が来た事を検知する必要がある。
そのためのセンサーについての説明。


1)レールコンタクト方式
 線路にフランジの裏側が当たった時に電流を流すために、線路の内側にガードレールの様な金属体を置く。

レイアウトに設置した例(自作)。
コンタクト用のレールはバネ状のもので固定してあり、フランジが当たった時に無理が掛らないようにしている。


違う例。 リン青銅線でコンタクトレールを固定して、バネ効果を狙っている。
これは、特にフランジが大きな外国型を走らせるための対策で、必ずしもバネが必要とは思わない。


フィースマンから製品が出ている。



この方式の特徴
 簡単である。
 片側の線路と回路を併用することになる(利点にもなり欠点にもなる)。
 フランジが当たるごとに電流が流れるので、車輪が通るたびに通電する。回路もそのつもりで考えること。



2)リードスイッチ方式
 磁力に感じるリードスイッチを車輛に積んだ磁石でもって作動させる。

市電に使った例。ガラス管のようなものがリードスイッチである。
センサーをずらしてあるのはこの方が感度が高かったため。
基本的に、リードスイッチは線路に平行に置くべきで、この置き方は良くない。


リードスイッチが目立たないように色を塗ってあるが、平行に置くのが基本。

車輛には磁石を付ける

丸いものが磁石。日曜大工店で購入した。


長いものが磁石。 ケーディーの連結開放用の磁石を折って短くした。

この方式の特徴
 検出器と車体が接触しない。
 リードスイッチに任意の回路をつなげる。

 磁石が通った時点だけ電流が流れる。 沢山車輛をつないでも一度だけの通電。
 車輛の先頭では無く、あくまでも磁石の点で検知する。(電車の編成等先頭車に磁石を付けると、反対向きの走行では最後尾に磁石があることになる)

 リードスイッチの感度と磁力の関係があり、感度の低いリードスイッチでは働かない。
 線路内に磁力に感じるものがあると、トラブルを起こすことがある。

 リードスイッチの価格は、数本入って数百円(安い)から、1本1万円ぐらいの高いものもある。



3) 光センサーによる方法
 線路に光センサーを置いて車輛の通過を検知する。
 光センサーには入射式と反射式がある。

 特徴
 無接触で、車両への改造が不要
 光センサーの回路が必要。
 入射式では回りを暗くする必要がある。
 反射式では車輛の反射をうまく利用する必要がある。



4) フライッシュマン方式
 フライッシュマンの機関車には下に丸い接触用のパーツが付いている。
 
 これが線路の内側に置いたガードレールの様な検出用線路に接触することで車輛を検知する。

 特徴
 簡単そうだが、フライッシュマンの車輛にしかついていない。


 
5)メルクリン方式
 メルクリンは3線式なのでメルクリン専用になるが、上の方法とは違った独特の方法があり、2つの方式がある。

 (1) コンタクトレール
   真ん中の線路に、機械式のレバースイッチがあり、車輛の集電シューがこのレバーを蹴ることで検出する。

検出レバーが見える。


集電シューが検出レバーを押す所。
走る方向によって検出レバーの反対方向に倒れるので、走る方向も検出できる。


方向を検出できるために、それぞれの方向に出力のコード(青2本)がある。

 特徴
 簡単である。
 動作も確実。
 方向も検出できるので、シャトル運転などでの検出に威力を発揮する。
 集電シューが通った時点での検出になる。)


 (2) 片側線路絶縁方式
  メルクリンの車輪は3線式のため、絶縁していない。
 これを利用して、一部の区間の線路の片側を絶縁しておくと、車輪が通った時に、車輪を通して反対側の線路から電流を取り出せる。



メルクリンの線路は両側とも導通があるが、簡単に導通を切って絶縁することが出来るようになっている。 

特徴
 費用がかからない。
 車輪が通ると通電する。 先頭車の検出が出来る。
 絶縁線路が短いと車輪が通るたびに電流が流れる。
 絶縁線路を長くする(客車一両以上)と、常にどれかの車輪が絶縁線路の上にある事になる。このことは長い車両が通っている間ずっと電流が流れるが、回数で言うと一度だけ電流が流れたことになる。これは、どんなに長い車両が通っても通り終った事を検出できる事を意味する。
この利用価値は大きい。




以上
  

鉄道模型教室に戻る