DB10の改造

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Upload 2007/6/14
update 2007/7/20
update 2012/6

 先日、中古のDB10を見つけて買いました。エッチングキットから作ったのかどうか分かりませんが、良く出来ています。かなり上手な人が作ったようです。
 これが、モジュールで走らせるのにちょうど良いので飛びついて買ったのですが、残念ながら走りがもう一つです。

そこで、走りが良くなるように改造しました。
加悦桃駅に停車中のDB10。

なかなかかわいらしくて、良く出来ています。

ところがロッドが引っかかってうまく走らないのです。
裏板をはずすと、ギヤの無いほうの車軸ががたがたで、車軸が傾いています。

それに、集電シューも気に入りません。
車軸の穴に3mmの真鍮棒をはめて、軸穴のがたを見ました。

矢印は力をかけている方向です。
反対に力を加えるとこの通り。

良く見ると、ギヤ側の軸穴にはあまり遊びはありません。
ギヤの無い方だけです。

そこで、0.8mmの真鍮板で、遊びの無い軸受けを作りました。

それを、台枠の内側に半田付けするのですが、軸距離をきっちりさせるために、次のようにしました。
あらかじめ、動輪の位相を測りました。簡易的な方法ですが、それは別の機会に書きます。

どちらの動輪も約88度で、ほぼ問題なしとしました。

次にロッド長ですが、これも2枚重ねて見てロッド長に差が無いことを確認しました。

写真のように、不要な車軸の先をドリルレースでテーパーに削って、そこにロッドを差込みテープで固定しました。

この位置に、新しく作った軸穴を固定すればよいのです。
今の写真の裏側です。

車軸にロッドを差し込んだまま、矢印の新しい軸穴を、こちら側から半田付けしました。

これで、軸穴に遊びが無くなり、かつロッド長と車軸間隔が同じになるはずです。
修正後の写真です。これは少し上を内側に押した状態ですが、カメラのレンズの影響で傾いているように見えますが、ほとんど平行です。
ギヤ側の遊びは少なかったので、改造していません。そのため少し遊びで傾いています。

軸穴修正は終了。

テストランで、ロッドの引っかかりはほとんど無くなりました。
さて、次は集電対策です。
模型は電気で動く。
走らせるために一番大切なのは集電と思っています。
元もとの集電シュー。


車輪のタイヤを擦っている。こんなもんでスムーズに動くわけが無い。
タイヤを擦れば、シューにごみが付く。

見てください、汚れているでしょう。
反対側のシュー。

こんなにごみが付いて、集電できるわけが無いじゃん。

しかも、シューの材料が少し厚い。
ばねが強くて、抵抗になるだけ。

もっと真鍮メーカーはカトーやトミックスや海外プラメーカーの集電方式を見習わなければ。
ということで、作った集電シュー。

工作が下手なのは許して^^

下が、絶縁側のシューで、薄い燐青銅で製作して車輪のフランジを擦るような形状にしてある。

フランジか車輪の裏を擦るのが今や常識。ごみが付きにくい。

でも何故反対側にもあるの?

非絶縁側だって、油の付いた車軸から集電するのは、大嫌い。うまく集電できるはずが無いじゃん。

それに車輪を押す力が右と左で違ったら、ロッドもうまく回らない原因にもなる。

ということで、こちらも元のシューを改造してフランジから集電するようにしました。もちろん薄く削ってバネ圧を減らしています。
これは絶縁側の集電シュー。フランジを擦るので台枠の近くにあります。そこで台枠に薄いプラバンを張って摺れても良いように絶縁してあります。
 かくして、始めに比べればびっくりするほどスムーズに走るようになりました。
車輪の位相が揃っていて、ロッド長と軸距離が同じなら、なんの調整もなしにスムーズに動く、当たり前のようですが、うまくいってびっくりしました。

ところが、まだ走りに満足していません。
マシマのモータに13:1ぐらいのウオームギヤが付いています。
このギヤの精度が悪いのと、ギヤ比が気に入らないのです。
この機関車であれば、30:1ぐらいの減速比が欲しい。

だるまやから36:1のギヤが販売されているのを見つけました。
そこで、ギヤ交換
元のギヤとだるまやのギヤです。
直径が大きいのですが、何とか使えそうです。
軸を抜いてギヤを交換します。

これはNorth West Short Line社のThe Pullerという軸抜き器。

いとも簡単に軸が抜けます。また同様に簡単に入れられます。
抜いた状態
これは、同じ会社のThe QUARTRTRという動輪の位相合わせ器。

ロッドピンの関係で少しあわせにくい気もしたけれど、これで合わせて先ほどのThe Pullerで車輪を入れて、すんなり走りました。

まあ優れものです。
合わせて8000円で買ったけれど役立ちました。
モーター軸にウオームの軸径と合わせるスリーブをつけて、一応完成。

テストランでは、思った通り適切なギヤ比で、スローが気持ちよい。


でも、まだ満足ではない。

そこで、
フライホイール作りです。

カトーのC56のフライホイールを旋盤で削って作りました。

それにしても旋盤細工は全く素人なのでバイトの使い方も分からない。
モーターに取り付けた状態。

狭いところにつけるので斜めに削ったりしています。

次は、ギヤボックスが無いためにモーターが振動して、ギヤの噛み合わせが悪くならないように、モーターの固定に補強をします。

できれば、台車からモーターまでダイキャストの一体構造が好きなのですが、それをまねようと、鉛でモーターを固定します。

木型を作り鉛を流し込んで、
モーターの後ろに、この鉛を接着してしっかり固定されるようにしました。

ただ、これが良かったかどうかは疑問です。
音の点では、ゴムブロックのほうが良かったかもしれません。
これで走り装置の改造は完成です。
1 ロッドがスムーズに動くようにしました。
2 集電を良くしました。
3 ギヤ比を大きくしました。
4 フライホイールをつけました。

 実に気持ちの良い走りです。スローから気持ちよく走り出します。重厚感があります。最高速も手ごろです。そのとき少しギヤ音が大きくなりますが、気持ちのよい音です。
 フライホイールの効果は抜群です。小さなフライホイールになってしまいましたが、やはりあると無いとでは大違い。スムーズな走りに貢献しています。

実は、こういうキットは初めからこれぐらいの走り装置を備えておいて欲しいのです。改造は手間とお金がかかります(色々買って試さなければならない)。

後は、車体の色を変えます。紺はレイアウトでは地味で写真写りが悪いのです。今塗装を剥がした状態です。

何色にしようかな、
 
 また塗ったら載せます。


こんな色に塗りました。 少しウエザリングしてあります。


HNモジュールの運転会です。

駅から出発するのをまじかで見てた人が、思わず「うわっ、スムーズ!静か!」と絶句した時には、我が意を得たりという感じでした。

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