レイアウトの夢
レイアウトの設計
upload 2015/4
レイアウトを設計する時のヒントになればと書いてみました。
レイアウトプランの本です。
作り方の本ではありません。プランの本がこんなにたくさん。
プランを見たり考えたりするのが好きなので、たくさん持っています。
どう言う事が書いてあるかというと、ゲージ別にカーブの半径と大きさなど、線路のメーカー別もあります。 HO,TT,N,Zなどゲージによって、同じ編成でどれぐらい長さが異なるか、駅に必要な長さは?
など、ゲージによって必要なレイアウトサイズの選択の参考のための説明です。
レイアウトの大きさはゲージよりも編成によって大きく左右されます。 Nでもフル編成なら大きなレイアウトが必要だし、HOでも小型車なら小さなレイアウトで収まります。駅の線路配置によって長さが変わる等
編成物を考えると駅が長くなるので、結構苦戦です。実際のプランを完成予想図をつけて描いています。
ほとんど同じ線路配置ですが、左がHOゲージでのプラン、右はLGBでのプランです。
これだとLGBでもあまり場所を取らなくてできそうです。
手前左から発車して、真ん中のループを通って向こうの終着に行く終着駅方式の小型レイアウト。 こんな大きなレイアウトのプランも。
レイアウトの下には大きな隠しヤードがあります。
隠しヤードに行く部分は急カーブにして場所を取らないようにしているのがヨーロッパの一般的な方式です。
ですから、ほとんどすべての車両はHOでも半径360cmを通過できるようになっています。
以上は本の説明でした。
これから私の話
もちろんこれらの本からもアイデアを頂いています。
基本的にHOゲージで話をします。
なぜならば、長年鉄道模型をやってきて、車輛を触るのも、レイアウトを作るのも、走る様を見るのも、そして、走行音を聞くのもHO(16番、OO含む)が一番手頃だと感じているからです。
しかし、Nより大きいので家庭のレイアウトではフル編成等はとてもとても無理で諦めなければなりませんが、小形車両、もしくは短い編成で有ればNとさほど変わらない大きさで出来ると思います。
急カーブを使ってレイアウトを作った例。
半径が小さいので反対側まで手が届き、工作が出来る。
これは大事な事です。
次に、半径が小さいので直線を長く取れて、駅の長さも長く取れる。
半径が小さくて不自然さがある代わりに、上の2点のような利点があります。緩いカーブでレイアウトを作ったら
反対側に手が届かない。
直線が短くなり駅の長さが短くなる。
反対側に手が届かないと工作が出来ません。 レイアウトを引っ張り出せるようにして、下を通って反対側に行きそこから工作できるような工夫が必要です。
レイアウト後ろは背景等で高くなっていることが多く、台の上にあがっての工作になります。
しゃがんでいる人が手に持っているのは工具や材料で、こういう物の運搬や、工具をとっかえひっかえなどの工作は結構厳しいものと覚悟が必要です。これは、急カーブをトンネルで隠して、見えるところには緩いカーブを使う案です。 もちろん車輛は急カーブを通れる必要があります。
しつこいようですが、ヨーロッパの車両が急カーブを通れるようになっているのはこういう時の対応のためでもあります。
カーブ対策とは別に、レイアウトの形状がL型になっているのは実に都合が良いです。 情景の感じをよくすることや、走っている車両を色々な方向から眺められるという利点があります。
また部屋も有効に使えます。。第二次ウエルテン王国鉄道
レイアウトがL型なので線路配置に変化をつけやすい。
レイアウトの奥行きも浅いので工作がしやすい。
ただし、急カーブを使っているので(HOで最急カーブは295mm、N並み)、小型車専用。
小形に限定するとレイアウトが作りやすいだけでなく、線路配置や情景に変化を作れる。大きなカーブで作った時に、カーブポイントを使うと駅の有効長が長く取れます。
この図では跳ね上げ橋を作って、中から工作や運転が出来るようにしてあります。
大きなレイアウトでも、このように必ず人の手が届くようにしないと工作やメンテナンスが難しくなります。跳ね上げ橋のかわりに線路を固定して、下をくぐるようにするのが工作上もメンテナンス上も楽です。
しかし、左の図のように
下をくぐる時にかなり手前から頭を下げなければなりません。
そして、頭がが向こうに出た頃には、かなりの歩数を歩いているのでもう十分だと思って起き上がり、肩や腰をレイアウトにぶっつけてしまいます。
ごめん!、 じゃあ済まないんだ、線路が微妙に曲がったりして思ったよりも被害は大きい。線路施設のし直しだってありえます・
そこで私は左のように椅子を置いておいて、そこにタッチして始めて頭を上げるようにしていました、 これで見ても椅子はずいぶん離れて置いておかなければならないでしょう。
下をくぐるのはかなりの距離が必要です。
一方、跳ね上げ橋
工作が大変な事と、線路がズレたら脱線する等の欠点があります。
しかし、思ったほど難しくなく、脱線も橋を下した時にずれをチェックすればほとんどトラブルもありませんでした。
これだと、部屋の外に物を取りに行ったり、行ったり来たりがとても楽です。
下をくぐるか、この工作をするかは貴方の選択次第です。レイアウトの中に入って運転する時の図です。
私の今のレイアウトがそうなのですが、部屋いっぱいに線路を敷いているので、このような形状になります。
この時、どこからもほとんど列車の顔が見えないのです。
自分の方に走ってくるところが見られない。
これは面白くありません。そこで、ほんの少しでもS字状にすると顔が見られるし、感じが良い場面の写真も撮れます。
なお、内側に入っての運転は車輛の同じ側面だけしか見られないと言う欠点があります。 寝台やコンパートメントなどでは廊下だけしか見えないと言う事です。上の図に近い線路配置で、機関車が手前に来れば、もっと正面から見える。
せめてこれぐらい正面から見える場所がある線路配置が望ましい。
勾配
勾配があると列車がうまく走らない。 トラブルが多い。
確かに事実です。 もちろん勾配の程度によりますが。
線路に勾配をつけなくて地形に高低差をつけて勾配があるように、処理する方法もあります。
しかし、本物の線路には勾配があるので、模型でもある程度の勾配を走れなければ情けないかもしれません。 緩い勾配程度は走れるような車両を作るべきです。
それにしてもゴムタイヤを履いていないと勾配に弱い。 しかし緩い坂ならゴムタイヤは不要だが、モーターにトルクが必要だし、スノープロウや排障機等、勾配のかかりで線路に当たらないように線路からの距離に余裕を持たせる工夫も必要だ。
勾配があるレイアウト。
地形に変化が出来ます。立体交差があれば必然的に勾配が出来る。 一見勾配が無いように見えるが、左の方で市電の線路の上をまたぐので、ゆるい勾配がある。
ゆるい勾配でも、力のない機関車は登りで遅くなり下りで速くなる。 これは実物でもそうなのであろうけれど、模型では顕著に見えるものがあり見苦しい。
この対策で一番簡単なのはDCCにしてBEMF機能を使う事です。 前述のEF15はDCCにする前は坂を喘ぎながら登って、脱兎のごとくかけ下っていたのですが、DCCにしたら、手放し運転でもコンスタントな速度で実感的な運転が出来るようになった。
線路の基本は以上
情景
情景を作らない人もいます。 車輛の運転場と考えればそれでも構わないわけです。
ちょっとだけ情景が欲しい人は駅付近だけ作る人も居ます。
私は是非とも情景が欲しいので、あらかじめ絵を描いてイメージを高めます。
小型レイアウト 「バイエルンの黒い森」をイメージしたプラン。
実際に作った「バイエルンの黒い森」レイアウト(メルクリン)
上とは全く違う形だし、線路配置も異なるけれどイメージは似ているはず。
このような情景が作りたくて、上のプランを含め20年近く頭の中にありました。こんな写真を見て、もちろんレイアウトです、作りたいなと思う人がいるでしょうが、無理だと思います。
大きな情景を作る場所が無い。
大きなレイアウトは物凄く手間が掛る。
大きなレイアウトで作り込むのは無理。
などなど、こういう凄い人が作ったレイアウトの写真を見て夢を見ておくだけにしておく方が良いでしょう。
配線
鉄道模型は電気で動く。
コントローラーや線路やポイント、さらに照明等への配線が必要。
コントローラーもアナログかディジタルか?
などなど、色々考えて下さい。
そして、必ずと言ってよいほど配線のトラブルもあり得るのでメンテナンスしやすいような配線処理が必要です。
できれば、半田付けは勧めません。 外れる可能性大です。
端子類を使ってきっちり止める。
大きなレイアウトではこのような配電盤を作ると配線も後々のチェックもやりやすい。
小さなレイアウトでも、これに準ずるような方法をとるのが良いと思われるが、手間と相談。
ただ、配線図とレイアウトの何処に端子板があるかなどをきっちり書いておかないと、トラぶった時の対応が大変です。
まだ続くかもしれませんが
最後に
レイアウト作りは時間が掛ります。
工具も大工道具や左官用具から、絵の具など画家の用具。ペンキ屋の用具、さらに配線用の電気屋の用具などなど、そして、実物を観察したり、色々な写真や資料を見たり幅広い工作が必要です。
でも、情景なしに走らせるだけ程度までなら思ったより簡単に出来ます。
思い立ったら吉日、良く言われる言葉ですがその通りだと思います。
失敗すれば修正すればいいや、程度の考えでトライするのが良いでしょう、あまり頭で考え過ぎると進みません。
取りあえず、HNモジュールを作ることから始めては?
これじゃあレイアウトとは違う、ごもっとも
でも、つなげばレイアウトになるよ。