定年から始める鉄道模型
私のお勧め
upload 2007/4/5
update 2007/5/5
1.はじめに
団塊世代とかの人に向かって、定年後に趣味を始めましょうと、陶芸や絵画、写真など色々の本やTV番組が出来ています。その中に鉄道模型もあって先日のNHKの趣味悠々で放送されて鉄道模型も日の目を見ようとしています。
私は昔から鉄道模型をしていました。もちろん他の人と同じように、模型の中断期や他の趣味にうつつを抜かしていた時期もあります。
そして2年前に定年を迎えて、自由な時間が増えました。そこで感じたのはやはり鉄道模型をやっていて良かったということです。
そこで、定年後に鉄道模型でも始めたいと思っておられる方に、私なりのお勧めを紹介してみます。
だいたい、趣味は?と聞かれたときに「鉄道模型です」と答える人はまあ居ません。いい年をした大人が汽車で遊ぶのは格好が悪いと思っているからですね。
まして、現役バリバリの時代にはなかなか「鉄道模型をしている」とは言えなくて、趣味は読書ですとか、他の趣味で答えるので、身近に鉄道模型をしている人が居ないように思うのですが、ところがどっこい、結構鉄道模型や鉄道が好きだと言う人は多いのです。
ところが、定年になると、現役と違って力が抜けるので「趣味は鉄道模型、とか汽車のおもちゃ」とか言いやすくなります。ということで、自信を持って鉄道模型を趣味にしましょう。
それで、鉄道模型をやっている人は意外と多いということですが、やはり釣りやゴルフなどとは人口が違う。やはり、一握りの人の趣味です。そして、その一握りの人の鉄道模型がこれまた千差万別なのです。
好みが違うということです。
蒸気機関車を作ることが好きな人、電車を作るのが好きな人、そして小さなかわいらしい車両が好きな人や長い列車が好きな人などなど。
それに、車両の縮尺にもいろいろあって、人が乗れるほど大きな縮尺から、指の先に乗るほど小さな縮尺まで、それに日本だけじゃなくてアメリカ型やヨーロッパ型、あー書いていればきりが無い。
それほど、鉄道模型の懐は広いのです。
それで、私の好みはというと、レイアウトです。この言葉はかなり一般になったとは思いますが、普通の人は「鉄道模型をやっている」というと、「山とか川とかがあって部屋中に線路を引き回しているあれかい?」と言います。その「あれ」というのがレイアウトです。
そう、普通の人は鉄道模型をしているというと、レイアウトを山とか川があるところで列車を走らせていると思っているようです。ところが、日本の模型界では意外とレイアウトを作っている人は少なくて、車両を、しかも金属で機関車つくりをしている人が多いのです。
でも、私の好きなのはレイアウトなのです。景色の中を列車が走る風景なのです。ですから、皆さんにもレイアウト作りをお勧めしたいわけです。
その理由は、徐々に話しますが、今の例のように鉄道模型をしていない人でも、景色の中で走らせるレイアウトには興味を持って見てくれます。
ということは、奥様や家族の方々、そして近所の方も結構興味をもってくれるということです。まあ、動く盆栽というところでしょうか。
NHKの趣味悠々でもレイアウト作りがメインだったのもその辺のこともあるのかもしれません。
前置きはこれぐらいにして、もう少し具体的な話に入って行きましょう。
2. 団塊世代というか定年を迎える人の特徴として
1) 老眼である、か、それに近い
近視の人であれ、遠視の人であれ、近くを見るためにはメガネをかけるか外すかしなければならない。そこで小さな物を見るのは辛い。
2) 根気が続かない。いや続けてはいけない。あまり細かいものを見すぎたり、触ったりしていては目を疲れさせ、肩をつまらせ、終いには頭痛がしてくる。体調を崩す。
3) 初期投資のお金はあるが、後が年金主体となれば続かない。すなわち退職金で模型を始める資金は用意できるでしょうが、後々までたくさんかかるようなことはできないし、しない方がよいでしょう。
4) 子供が独立して案外空き部屋があったり応接間が開いていたり、スペース的に余裕がある。
というようなことを勝手に想定して、どのような模型を始めるかを考えて見ます。
3 どの大きさの模型を始めるか?
目が辛いと言うことから大き目のゲージが良いでしょう、ということですが、ここで鉄道模型の大きさのおさらいを少し。
ゲージについては色々な本やホームページに書かれているのですが、
1)まず、Nゲージ。
デパートや量販店、模型店どこででも買えるし安い。普通の人に鉄道模型をやっているといえばNゲージですかと聞かれるぐらい一般的です。日本型で1/150の大きさです。
2)Zゲージ。 1/220でメルクリンZゲージが有名ですが、最近日本製の日本型の車両も販売され始めました。でも、このゲージを年配の方には勧めません。線路に乗せるだけでも苦労します。
そういえば、私より年上の方に初心者セットを勧めて買わせたこともあったな。まあ、それなりにテーブルの上でウイスキーを飲みながら楽しむ手もあるけれどね。
3) HOゲージ
Nゲージのほぼ倍、体積で8倍。かなり貫禄があります。正確には1/87がHOゲージ、日本型で良く使われているのが1/80で16番ゲージ。少し大きさが違うのだけれど一般にはどちらもまとめてHOゲージと呼んだりして混乱しそうだけれど、皆そんなことはわかってどちらのことを言っているのか頭で判断している。私には他の人と違う意味で困ることがあるのだけれど、それは何処かで述べましょう。
4) Oゲージ。 60歳ぐらいの人は子供のとき遊んだことがあると思いますが、大きいです。1/45です。でも小型の車両であればびっくりするほど大きいというほどでもありません。これより大きいゲージもありますが、割愛。
5) ナローゲージ
こちらは意味合いが違いますが、いわゆる軽便鉄道で線路の幅が狭い。そして実物も車両の大きさが小さいので小さなレイアウトには便利なゲージです。これにも何種類かありますので「ナローゲージ比較」のページを見てください。
これは各ゲージの人形です。右端はZゲージ。さすがに小さい。そして次の2体がNゲージ。これも相当小さいです。そして指の太さより大きいのがHOゲージで扱いやすい大きさです。左端はたぶんOゲージだと思いますがさすがに大きいです。
4 線路
Nゲージは9mm幅で、HOゲージは16.5mm幅です。この上で走らせることが出来るのは、必ずしも1/150の車両や1/80の車両だけではなくて、9mmの線路の上で1/87の車両を走らせたり、16.5mmの上で1/45の車両を走らせたりすることが出来ます。
これが前述のナローゲージですね。 ですから始めにどの大きさの線路を買うかということも大事なことなのです。
そしてこれ以外に10.5mm幅の線路や12mmの線路を使った模型もありますが、簡単に繋いだり仕舞ったり出来るのはNゲージ用の9mmの線路とHOゲージ用の16.5mmの線路です。気楽に模型をするには簡単に取り扱える線路があることも大切です。
もしHOで狭い場所でレイアウトを作るのであれば、フライッシュマンの線路を勧めます。
5 鉄道模型は電気で動く
次に、鉄道模型は電気で動きます。電気の供給は線でつなげば列車は遠くにゆけませんから、線路から車輪を通して供給します。実はこれが問題なのです。
金属のレールの上を金属の車輪が転がるというシチュエーションで集電しなければならないのですが、間にほこりやゴミが入るとうまく電気が流れません。
すると今まで流れていた電気が流れ続けようとして火花を出します。すると車輪やレールに余計に汚れが付いて動かなくなってしまうのです。
この対策は色々あるでしょうけれど、簡単には車体が重くて、車輪をレールに強く押しつけているほど良いと思っています。
この理由からも車体は大きいほど良いのです。NゲージとHOゲージの縮尺がほぼ2倍違うわけですが、それは長さで、体積に直すと8倍違います。これはほぼそのまま重さと関係します。
こんなことからも、大きな模型が良いのです。集電不良の車両では楽しむどころかストレスが溜まります。あの大きなLGBの機関車が車輪以外にレールをこする集電シューをつけているぐらいですから集電は大事なのです。
6 HOゲージは場所をとる?
さて、NゲージよりHOゲージを勧める理由がお分かりになってきたことと思いますが、問題はHOゲージのレイアウトはNゲージより場所を取るということです。
ここで、レイアウトの大きさが決まる主要因は縮尺より列車長であることを示します。
この写真は、Nゲージの電車の編成とHOゲージの小型の編成です。
こうしてみるとNゲージでも編成物だとかなり長くなってしまうことがわかります。
その分、駅の長さやエンドレスの長さも必要になります。
もちろんHOで同じ事をしてはびっくりするほど大きなレイアウトになってしまいます。
そこでHOの小型車両ならNの長編製より列車長は短くて済みます。それから、16.5mmの線路上で走らせるOゲージのナローも車両によっては短くて小さなレイアウトが可能です。ただ、家や木も大きくなるので、狭い感じになるのは免れません。
それから、小型の車両ならゆっくり走らせますから、狭くても十分なのと、気分的にもゆったりと落ち着きます。
私はNの特急を飛ばして走らせるレイアウトで目が回るようで懲りました。
もしも、場所に余裕があってHOゲージでびっくりするような大レイアウトを作れるとしても、それはお薦めできません。
そんなレイアウトを作るには凄い労力が必要なのです。台の下に潜って移動することなど思いも寄らないしんどさが次々に押し寄せてきます。そんな物は若い人に任せましょう。
逆にNゲージで小型車両をやる手もあります。これはこれでかわいいのですが、重厚感も走行音も楽しめなくて、まずはHOというところです。
7 ゲージとレイアウト規模の結論
目標は小さなレイアウトで、作るのも楽で、目にも易しくて、後も手間がかからない、ということです。
ということで、HOの小型レイアウトを勧めます。
こんなにたくさん書いてしまいましたけれども、これほど書かないと手軽に始められるNゲージに手を出してしまいそうなので、自分自身への戒め(これほど言いながら店でつい買いたくなる)も含めてです。
初めが大事です。年よりは小さいものは無理です。
8 レイアウトの場所探し
さて、レイアウト、まず場所探しです。
例えば、背の低い整理ダンスの上に立てかけるとか、空いた部屋とかなんとか確保して下さい。
レイアウトが作れないからと床の上で走らせるのは止めましょう。理由は目の高さで模型を見たいからです。全然迫力が違います。
ですから小さくてもレイアウトにしてある程度の高さの所に設置しましょう。
9 レイアウトの設計
場所が見つかればレイアウトの設計です。
家庭で走らせる、で述べているように、定尺あれば小型車両だけでなくて20m級のローカル線も可能です。それより少し大きい1m×2mでも勿論良いのですが、何かに付け材料は1.8mで出来ているので定尺が便利です。
そのサイズが取れなければ、90cm×120cmでもHOのレイアウトは可能です。これも他のページを参考にして下さい。
簡単に作るのであれば、記事に書いているようにスタイロフォームを使って、三段ボックスの上に乗せれば良いです。三段ボックスが物入れになって使いやすいレイアウトが出来ます。
弟のレイアウトのページを見て下さい。開きの付いた三段ボックスにコントローラーを入れて使う時出せるようにしてあります。
10 レイアウト、日本かヨーロッパか
さて、大きさが決まった。どんな景色にしよう。
実は私はここで何時も迷うのです。
その迷いとは、ヨーロッパの景色にするか日本の景色にするかです。
えー、何故ヨーロッパの景色? 日本の景色でいいじゃないと思うでしょう。
でもこれには理由があるのです。
それは、日本の模型とヨーロッパの模型の違いです。
このことは「鉄道模型趣味」誌に連載で載せたことがあるのですが、結局は日本とヨーロッパとの模型に対する文化の違いから来ています。
(アメリカ型? 止めましょう。それこそ広大な土地で走る長い編成は無理です。 )
難しい言い方をしてしまいました。
簡単に言うと、ヨーロッパでは家庭でレイアウトを作りやすいように、狭い場所でも走れる車両を作っているということです。そして、各家庭が対象ですから、価格も安く設定しているということです。
それに対し、日本はレイアウトを作って走らせるより、できるだけ実物を模した車両を作るということに主眼が置かれています。ですから、狭い場所で走らせるには苦手な車両が多いのです。
例えば実物をまねた場合、あの福知山線であった脱線事故、急カーブということでしたが、模型にすると半径2mもあるようなカーブです。そんなもの模型では大大カーブでとてつもなく大きなレイアウトでしか使えません。
ですから模型というのは実物とは違う世界で、狭い場所で走らせるには実物を模した構造では無理なのです。
そこをどこで折り合うかというのが、日本とヨーロッパの違いで、日本より家の大きなヨーロッパの方が狭い場所で走らせることが出来るように作られているというのは面白いですね。
11 ヨーロッパ型車両
小型車両中心として車両を考えます。
まずはヨーロッパ型。
とりあえずカタログを買いましょう。
建物のカタログも買いましょう。見ているだけで楽しいですから。
蒸気機関車や電気機関車など、小さな機関車がたくさん発売されています。
もちろんプラスティック製ですから、価格も2〜4万円ぐらいです。
高いか安いか?
もし、日本の蒸気機関車を手に入れようとしたら、小型でも組み立てキットで5万円ほどします。それに小物のパーツや塗料もかかりかなりの金額になります。
しかもうまく出来るかどうか、うまく走るかどうかは自分の腕しだいです。
完成品の良いことは、走りを確かめて買うことが出来ることです。
ここに示した私の手持ち車両はどれも良く走ります。
とりあえずここでは、こんなにたくさんの種類があるということを見てください。
これは、小型の客車です。
日本の客車が長いのばかりしかないのに比べて、短く手ごろな客車がごろごろしています。
これが小型レイアウトを作るのにとても便利なのです。
もちろん、プラ製品ですから安いです。
だから、次にどんな客車を買おうかという大人の楽しみ方もできます。
しかも、機関車も含め、小型と言えども急カーブ対策がなされているので、編成を組んでも楽に急カーブを曲がれるのです。
とまあ、それこそほんの一部ですが、こんなに手軽な車両がいろいろあることを覚えて置いてください。
12 日本型車両
次に日本型の小型車両
これは、私の手持ちの小型車両です。
実はすべて、自作でキットからの組み立てです。
これはちょっと問題です。
レイアウトを作るには時間がかかります。それなのに車両も作っていてはレイアウトまで手が進まないのです。ですから私はできるだけ完成した車両を買いたいのです。しかも安くてスムーズに気持ち良く走るものが欲しいのです。
そうそう、客車のキットでもかなり高価です。完成させるまでの細かいパーツを入れるとヨーロッパ製客車の2〜3台分にもなったりします。
でも、紙で作れば安いよー という人もいます。貨車の下回りだけ買って車体を紙で作れば簡単に安く出来ますね。
車両つくりに時間をかけたくないというのは、車両作りが趣味の人とまったく違うところですね。
でも最近は完成品も発売され始めました。
全部、プラスティック製品です。手前はバックマンの蒸気機関車。
トミックスの南部縦貫鉄道と名鉄モ510。
そして、20m級ですが天賞堂のキハ20です。
もちろん20m級なら、カトーやトミックスからたくさん発売されていますが、小さな車両はこれぐらいしかないのです。
プラスティック製の良いことは価格が安いだけではなくて、集電機構、走行性能もある程度まで確保されていることです。
でも、小型車両はこれだけなのです。
ちょっと、ばらばら過ぎますね。
ここがヨーロッパ型と違うところです。
小型の蒸気機関車に小さな客車を牽かす。
この、のんびりしたシチュエーションを実現しようとすると。真鍮キットで蒸気機関車を組まなければなりません。それは手間が掛かるだけではなくて、走行性能が難しいのです。例えば集電機構なども私に言わせればいい加減です。
では、機関車だけヨーロッパ製にしたら、となります。
この蒸気機関車は、ヨーロッパ型です。リリプトの製品を真っ黒に汚しました。
もともと昔の日本の蒸気機関車はヨーロッパから輸入していたのですから、そんなにおかしくないです。
客車はやむをえません自作です。
日本型の小型客車の完成品は発売されていません。これは実物に小さな車両が少ないことによるかもしれません。
このように客車や貨車を自作して、機関車はヨーロッパ型を買うという手もありますね。でも、客車の自作も細かい仕事ですよ。
自作マニアでも「作るのを止めたー。プラスティックの完成品を買うー」 といっている人もいました。
それから、定尺の大きさがあれば、先に書いた弟のレイアウトのように、国鉄型の小編成を走らせることが出来るので、車両には苦労しません。
ただし、いくらか改造しなければならないこともあります。
ということで、ヨーロッパ型は圧倒的に車両の種類が多いのとと価格もまあまあなので、考え込んでしまうのです。
しかも私的にはカラフルで形の変化もあるヨーロッパ型が好きなのですから。
13 建物や人形
建物のキットも、レイアウト主体のヨーロッパ製は色々なキットがたくさん発売されています。ただ、種類は多いのですが、日本で手に入れるのは在庫切れなどがあって、思ったものが手に入らないかもしれません。カタログは必須ですね。
日本型ではエコーモデルやヒルマクラフトから、キットが出されていて、まあまあなんとかなると言う程度の種類でしょうか。
こんどは人形です
これが問題です。
ヨーロッパ型ならプライザーやメルテンなどそれこそ生きているような人間から犬、猫、ライオンまでありとあらゆるものが出ています。
ところが日本人となると、ぐっと減ります。
上の人形は色を塗ってあるのがプライザー製で発売はカトーです。
色を塗っていないものはエコー製で、百年ぐらい前の製品かと思ってしまいます。
この時代ソフトメタルでは無理です(でも発売してくれているのでありがたいです)。
そして、最大の問題は大きさです。
実はここで1/80と1/87の違いが出てきます。
プライザーは1/87で多分この日本人も1/87でしょう。
エコーのボールを持った子供は縮尺がとてつもなく大きいようですね。
これは、建物にも言えることで、例えばレンガ建ての機関庫を日本型として使うと、1/87で少し小さめなのです。
その横に1/80の建物を置くと大きく見えるのです。
レイアウトを広く見せるコツは、建物や木を小さめに作ることです。ですからヨーロッパ型の1/87を日本の景色に置いても形さえ似合えばちょうど手ごろなのです。
もっとも、ヨーロッパ製が1/87であるかというと、けっしてそうではなくて、建物に関してはそれよりかなり小さくデフォルメしてありますけど。
まあ、この辺りで1/80と1/87の違いで少し困ることがあります。
私は日本の家屋を作るときは1/90程度まで小さく作っています。
14 日本、ヨーロッパどちらを選ぶ?
90%以上の人が日本型のレイアウトを選ぶでしょう。
でも、いま言ったように、レイアウトをつくり走らせて遊ぶのであれば、ヨーロッパ型のほうがはるかに作りやすくて、メンテナンスも簡単なのです。
定年になった方、是非とも奥さんとヨーロッパ旅行をすることをお勧めします。
鉄道模型だけが趣味ではありません。
ヨーロッパに行かなくても日本でも綺麗なところはいくらもある、といいます。
でも、日本は何時でも行けるのです。
私は元気なうちに海外に行って年をとったら日本というように考えています。
この機会に、美しいヨーロッパの景色を見られ、できれば列車の旅をされると感激すること間違いなし。
そして、模型の一つも買って帰ると考えも変わるかもしれません。
そしてヨーロッパ型のレイアウトは奥さんに気に入ってもらえるかも。
以前ヨーロッパの模型店をTMSに掲載しました。
でも、今ではインターネットで簡単に検索できます。
そして住所がわかれば、印の入った地図も簡単にでます。
一時は私もヨーロッパ型ばかりになってしまいました。
それは、今までに言った理由です。
でも、日本の景色も捨てたものじゃないですよね。
そこで、今までのレイアウトでも日本型とヨーロッパ型を交互で作っているような感じです。
ですから、なんでもかんでもヨーロッパではないのです。
日本型のしっとりしたレイアウトこれも宝玉です。
レイアウト作りには景色を見ることが大切です。草の生え方、木の生え方。そうです、せいぜい日本も旅行してください。
それから毎日の散歩でも時々カメラを持ってでて、草木の色の写真を撮ってください。日付入りで。
レイアウトを勧めるのは、鉄道以外にも建物、植物、風俗などなどそれぞれの地方の文化や民族なども対象になるのです。ですから、面白いのです。
でも、あまり凝りすぎないようにしましょう。
雑誌に載せると静止画なのでついつい凝って作ってしまうのですけれど、凝れば凝るほどしんどいだけではなくて、走らせれば壊れやすいですよ。
15 どこで材料を買うか
レイアウトを作るとしてどこで材料を買うか?
実は町にある鉄道模型屋さんはほとんど役に立たないのです。
レイアウトの材料を置いてある店は僅かで、ほとんど知識もありません。
それは前に話した日本の模型の文化で、車両作りが中心なので仕方がないのです。
でもエコーモデルやヒルマクラフトの建物程度はあると思います。それでもあまり揃えていないかもしれません。
では、どこで買えるかというと、大阪であればキッズランドやニノミヤホビーなどの量販店です。これらの店には木や草の材料や山や地面を作る材料がたくさん置いてあります。
私はこれらの材料はほとんどヨーロッパ製品を買います。色々な種類が多いのと色が実感的だからです。もちろん日本の景色にも使えます。また、アメリカの製品を使うこともあります。
それから、建物ですが、ファーラー、キブリなどの建物もたくさんあります。また、それより少し北のポポンデッタにはフォルマーの製品もありブラヴァの街灯なども置いてあります。
カトーのホビーセンターにもレイアウト用品は多いです。
それから、モデルバーンは芦屋、名古屋、横浜、東京とたくさんあって名前どおりヨーロッパ製品は車両からレイアウト用品まで色々あります。
こうやって上げれば切りはないのですが、地方の人は入手困難でしょう。でも通販という手があります。ヨーロッパ車両であれば、トラムウェイなどでも通販で買えます。
今やインターネットで世界中から買えるといってもいいでしょう。模型店を探し回るよりずっと早く買えるかも知れません。
それから、いろいろな材料は日曜大工店や美術材料店でも買います。
後は、創意工夫で安い、もしくはただで手に入る材料で作ったりします。
そうそう、お金に余裕のある人は、ユータアトリエで自分の気に入った家屋を作ってくれます。こういうのを使うのもレイアウトを完成に導く手段です。
16 おわりに
途中から何の話なのか分からなくなりました。
長くなってしまいました。
まとめとしては、
ゆったりと景色の中を鉄道が走る風景を作りましょう。
ゆったり楽しむにはHOがいいですよ。
Nよりは高くつきますが、小型車両であればそんなに高くはないです。
初期投資に機関車を買って後はぼちぼち客車や貨車を買う、それも楽しみです。
簡単に作るのであればヨーロッパ型が手軽です。楽しい風景ができます。
ウエルテン王国鉄道は2つとも結構好きだといってくれる人がいます。
日本型ならそれなりの手間がかかりますが、情緒ある風景ができます。
美山線も良かったといってくれる人もいます。
でも、あまり凝りすぎたりぜずに、自分が楽しめばよいので、そう、鉄道のある風景なのです。私のはちょっと凝りすぎです。反省!
最後にとても気に入っているレイアウト、
それは2006年JAMでの長嶋 賢さんのHOレイアウトで、30cm四方ほどの台枠の上に家が2件あるレイアウトです。そこに直線が少しが引いてあるだけです。
それにフライッシュマンの線路をつないで小さなエンドレスを作り線路は紙コップの上に置いて台枠と高さを合わせてあります。
もちろん組み立て式ですが、たった30cm四方程度の大きさでHOのレイアウトを作って、コントローラーから車両まで全部を1つのかばんに入れて横浜から大阪まで持って来たというのはすごくないですか。
こんなに小さくても景色つきのレイアウトなのです。
写真がなくてごめんなさい、RM MODELES 2006年11月号に載っています。