鉄道模型の常識をぶっ飛ばせ!

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upload 2008/8/3
最新update 2019/10

基本的にHOゲージの話をしています。
目次

1 実物を縮小したのが鉄道模型ではない。  車両

2 実物を縮小したのが鉄道模型ではない     建物等
3. 模型車両は作らなくてもよい。完成品を買おう。
4 小さな車両より大きな車両の方が急カーブを曲がれる。
5 連結器は本物を真似るな。

6 蒸機機関車はロッドで動かすな。
7 NゲージよりHOゲージの方が小さなレイアウトが作れる。
8 小さなゲージは遠くで見ろ。大きなゲージは近くで見ろ。
9 駅は平行に置くな

10 線路や架線は縮尺通りにするな。
11 新しいコントローラーは便利か?
12 HOはNの真似をしろ!
13 まだまだあるけれど。
14 結論できるだけ本物の真似をするな
15 どんでん返し
はじめに

鉄道模型の常識とは何ぞや? 

 私なりに考える鉄道模型がある。それは模型を知る人から見ればけしからん考えかも知れない。

 ある人達には受け入れられないかとも思う。

ちょっと過激なタイトルだが、レイアウトを作るための秘策に通じる。

要はあんまり頑張らないで遊びましょうということを書いてみたい。


1. 実物を縮小したのが鉄道模型ではない。
   車両


 実物と鉄道模型は絶対に違う。形は似ても非なる物だ。

本物を精密に模して小さくしたものは、鉄道何とか館等に飾られている5分の1の縮尺の大きなモデルなどがある。


 これは本物の構造を説明するために、出来るだけ本物と同じように作ってある。 所々、内部が見えるようにカットモデルになっていることもあるけれど、実に良くできている。

でも、人はこれを鉄道模型とは呼ばないだろう。

 じゃあ、鉄道模型とは何か?というと、走って遊べることにあるかも知れない。
それもただ走るだけでは子供のおもちゃになるので、外観は出来るだけ実物を模してとなるのであろう。

 そこでだ、走るというのは本物が走るのだから当然なのであるが、本物と同じ機構では走らせることが出来ない。例えば蒸気機関車であるが、本物は石炭を炊いて蒸気で走らせている。

 では、模型はというと普通は電気でモーターを動かして走らせている。もちろん模型でも蒸気の力で走らせるライブという人が乗れるほどの大きさの模型もある。しかし、これも石炭を炊く部分や人が乗る部分など、厳密に本物と同じようには出来ない。すなわち模型なりの工夫が要る。

 もっと大きな例ではイギリスにある小さな蒸気機関車の鉄道がある。これは本物を精密に1/2に縮小したもので、客を乗せて営業運転をしている。しかしこの蒸気機関車を模型とは言わない。あまりにも本物と同じなために「小さな本物の機関車」という位置づけに成る。

 話を元に戻して、言いたいことは本物の縮小だけでは、小さな模型の機関車や電車を走らせる事ができないのだから、模型なりの機構や工夫が要るということだ。

 そこで、どこまで本物を真似するかというレベルの割り切りが必要で、それが模型をやっている人によって色々あると言うことだろう。




2. 実物を縮小したのが鉄道模型ではない。
  建物等
 

車両について書いたけれど、線路や建物について言おう。

線路というか、線路を引いてある敷地だけれど、例えば東京-大阪の距離を1/80にすると6km以上になる。Nゲージでも3km以上は必要である。
これを模型で作ろうなんて人は絶対に居ない。

ちょっと大げさ過ぎたけれど、3畳のレイアウトでも学校の運動場程度だ。そこに駅を作るだけでも狭いのに、山や川まで作ってしまう。

これが実物の縮小であるわけがない。そこには画家がキャンパスの中に壮大な景色を描くような、いやそれ以上のテクニックが必要だろう、と同時に狭くても広いと感じるような頭脳のトレーニングも必要である。

 そして、この狭い領域での運転のために、実物ではあり得ないような急カーブが必要となる。

記憶に生々しい尼崎の脱線事故は急カーブのためだと言われるが半径300mだ。16番ゲージなら半径3750mmになる。仮に16番ゲージで半径1000mmを使っても、本物に比べ4倍近い急カーブ。

ましてR356なら10倍以上の急カーブだ。模型は実物に比べ桁違いに急カーブだから、そこを走る車両も当然急カーブ対策をしておかないと、実物通りの構造では、とても曲がれない。


美山線、右上の最急カーブはR295だ。 HOゲージです、Nよりきついぐらいだ。

これでちゃんと走れるようにしているのだが、ここにも実物と異なる模型独自の世界がある。



3. 模型車両は作らなくてもよい。完成品を買おう。


Nゲージでは完成品を買うのが当たり前で、特に作りたい人が自作したり改造したりしている。ところがHOゲージでは、完成品を買うのは「安楽マニア」という古いイメージがまだ残っているようだ。

安楽マニアが何故悪い。

HOだって完成品で良いじゃないか。問題はそれをどう使うかだ。

 今やHOでもプラスティックで安価な完成品が出てきた。

真鍮製の完成品に比べ桁違いに安いだけではなくて、キットよりも安いのだ。しかも走りは抜群だし、デティールも真鍮より優れている物のあるぐらいだ。

作るのが楽しみの人は兎も角として、レイアウトを含めた鉄道全体の模型を考えたときに、車両作りにばかり時間を取られてはいつまで経ってもレイアウトなど出来はしない。 



4 小さな車両より大きな車両の方が急カーブを曲がれる。


 そんなはずは無いというタイトルであろう。これは作り方によってはこうなると言うことだ。

 すなわち鉄道模型は単に本物の縮小では無いという部分で、小型車両でも本物に拘れば大きなカーブしか曲がれない。大型車両でも模型としての設計をすれば急カーブを通過できる。

これはヨーロッパ製の模型と日本型の模型を比較すれば一目瞭然で、ヨーロッパ製は日本で言えばD形やE形のような動輪がたくさん付いた蒸気機関車でもR356を曲がれるが、日本製はC形機でもそんな急カーブは曲がれない。

メルクリン HOゲージのE型機関車。 これがR360を曲がって走れる。 ヨーロッパの他のメーカーも同じ。

 特に連結したときには、連結器の構造が重要になる。ヨーロッパ製は24m級の客車を数量連結してもR356を曲がれるが、日本製は2軸貨車でも連結すれば曲がれないものもある。だから、単に車両の大きさだけではなくて、むしろその構造がカーブ通過を支配しているのだ。



5 連結器は本物を真似るな。

 列車を連結する連結器であるが、連結器の形態だけの話しではなくて、まず連結器の横動きの大きさが問題である。

実物通りの横動きであれば急カーブは曲がれない。模型でいくら大きなカーブを使っても、実物よりは急なカーブであるから、だから横動きが少ないと脱線する。

特にカーブから直線に戻るときに、機関車は直線に乗っているので連結器は線路の中心にあるのに、客車はまだカーブの上にあるので、車両の端に付いている連結器は線路中心より遙かに外に出ている。



これじゃあ繋ぐのは無理だ! 脱線するに決まっている。


お互いの連結器で車両を横方向に押す形になり脱線するのである。

前述のように小さなレイアウトでは相当の急カーブを使うので例え2軸貨車と言えども、連結器の可動範囲が少ないと脱線する。

次に連結間隔の問題である。実物同様の連結間隔では、急カーブ通過時に車両同士が当たってしまい脱線する。

そこで、模型では連結器の長さを長くしなければならない。

しかし単に長くしただけで、その取付位置が実物のようにほとんど車両の端にあると、長い編成を走らせたときに、カーブで車体が内側に引っ張られ列車全体がカーブの内側に倒れることがある。

この対策としては、連結器の取付位置をできるだけ台車のセンターピン近くに持ってくることである。

次に、機関車が引っ張っている場合は良いが、機関車が後から押す形の場合、電車がそうなのであるが動力車が後ろから押す場合、連結面が首を振る構造、すなわちケーディーやヨーロッパのカギ形連結器の場合では、カーブで連結器の所で折れた形になりカーブの外に向かった「く」の字の形になる。

そうすると連結間隔が短くなり車体同士が当たって脱線の原因になるだけでなく、車体を押す力も外に向かってしまいこれも脱線の原因になる。

この対策としては、連結器を繋いだ状態で横に曲がらない棒状になることである。すなわちドローバーである。



脱線しにくい連結器はドローバーで、かつ台車中心に連結器の中心もある。


これを実物で言えば密連の形となるが、それをそのまま模型化すると構造が細かくなり過ぎ取扱が難しいのでドローバーの形のままが無難である。

ヨーロッパ型ではROCOやFleischmannの連結器では繋げば棒状に成るようになっている。

さらなる問題は、連結間隔を長くすると車両同士の間が広くなり、見た目にも実物と違いすぎる事である。その対策としてヨーロッパでは昔から伸縮式の機構が用いられている。

これにより直線では連結間隔が実物通りに狭く、カーブでは広がってカーブ通過を用意にしている。日本でも伸縮式が出てきたが、横動きの範囲、支点の位置、そして伸縮の大きさなど急カーブを走らせるには全然不足である。

ということで、実物通りの連結器にすると脱線する。実物に拘りつつ模型なりの方法が必要である。




6 蒸機機関車はロッドで動かすな。 

模型の蒸気機関車はモーターで動かすので、ピストンはただの飾りである。
だからロッドも同じで動力を伝える方法としてどうしても必要なものでは無い。

ロッドを使った伝導というのは、メカニズム的に相当の精度が必要である。
例えば僅かなロッドの長さの異なりや、左右動輪のロッド穴の位相のズレなどでひどいときには全く動かなくなる。

それほどひどくなくても、機関車の揺れが大きくなったり、スロー走行時には、ロッドの位置により速度にムラが出来て、見ていて蒸気機関車の重量感を感じられないし、みっともない。



これはロッドに力がかかったときに車軸にどんな力がかかるのかの図である。車軸に上や下への力がかかり、スムーズな回転を妨げていることが解る。

それならどうして走らせるかというとテンダードライブという方法がある。

これは石炭車にモーターと伝導機構を組み込んで石炭車が動き、前にある機関車を押すという方法である。
まあ、国産の模型では見られない方法であるが、ヨーロッパ製では多く使われている。

何故そんな騙しみたいな方法が採られているかというとテンダードライブで有ればロッドに力が掛からないために、高精度でなくてもスムーズに走る。耐久性も高いし模型には都合の良い方法だからである。

こんな動輪で牽引しない方法なんて実感的では無いと言うあなた、動輪にギヤが入っていることをどう考えますか? 本物の動輪にギヤなんて有りませんよ。ましてギヤボックスなど無い。 

ギヤボックスがあると特にスポーク動輪などではスポークの間からギヤ装置が見える。

それがテンダードライブならギヤ装置無し。 すっきり実物通りの足回りが見えるという利点があるのだ。 


テンダードライブのリリプトの機関車。 動輪のスポークを通して台枠が、さらに向こう側まで綺麗に見える。



だから実車通りに作りたい人はテンダードライブにするべきである。

 テンダードライブが出来ないような石炭車のないタンク機関車では、動輪全部にギヤを付けてギヤの力で回転させ、ロッドは飾りで伝導には使わない。

これで前述の例と同じ事になりスムーズに走る。これは小さな軽便機関車では特に有効な手段である。

しかし難を言えばギヤ数が多いために良質のギヤを使わないとギヤ音が大きいことがある。




7 NゲージよりHOゲージの方が小さなレイアウトが作れる。

 レイアウトに必要なスペースは縮尺(ゲージ)ももちろん関係するけれど、実は走らす列車の編成長に大きく関係する。

すなわちNで長い編成物を走らせるより、HOで小型車両を走らせる方が狭い面積でレイアウトを作れる。

 
HOの小型編成より、Nの編成物のほうがずーと長い。

これはレイアウトの中のスペースで場所を取るのが駅のプラットホームであることによる。
編成長が長ければ、当然駅のスペースが長くなるし、狭いスペースで長編成を走らせれば、列車の先頭と後尾が引っ付きそうになる。

だから編成長によってレイアウトの大きさが左右される。

Nゲージの長い編成と、HOゲージの小型車両を比較するのはおかしいと思うかも知れない。

でも、HOは小型車両でも見応えがあり、Nはある程度の編成長がないと見応えがないという理由である。



8 小さなゲージは遠くで見ろ。大きなゲージは近くで見ろ。

これも逆のように思えるだろう。

でも小さなゲージは近くで見ても小さくて迫力がない。
それに対し大きなゲージは近くで見れば益々迫力が大きくなる。

だから大きなゲージを近くで見るということは理解して貰えるだろう。

一方、小さなゲージが迫力がないなら、魅力を上げる方法はむしろ遠くから見て、実物を山の上から見るような雰囲気を作ることである。

この意味からも小さなゲージで大きなレイアウトを作り遠くから見ると雄大な走行風景を見ることが出来る。

だからHOゲージのレイアウトは小さくて、Nゲージのレイアウトは大きいのが良いという理屈にも繋がる。

ちなみに交通何とか館のHOゲージのレイアウトは大きいために離れてみるので雄大であるが迫力は感じられない。

もし目の前で見られるぐらい近くで走行場面が見られれば迫力が感じられるだろう。



9 駅は平行に置くな


レイアウトで駅を台枠の長手方向に平行に置くのが普通であるが、これはやめて出来るだけ縦に置きたい。

それは、列車を縦に見る方が感じが良いからで、駅を平行に置くと列車を縦に見ることが出来ないし、後のホームにいる列車は見えない。縦ならば駅で停車しているのも見えるし、駅への進入や出発も感じよく見ることが出来る。



これは弟のNゲージのレイアウトであるが、右の終着駅は完全に縦に配置してある。これは見るからに感じがよい。

そして、中間駅と左の終着駅は台枠に平行では無く、かなり角度を持たせてある。これだけでもかなり感じよく列車の走行を見ることが出来る。 



駅を縦に置くのはスペース的に難しいが、斜めに置くだけでも感じよく見える。

 
駅は少しでも斜めにと意識すべし。




10 線路や架線は縮尺通りにするな。


 鉄道というのは名前の様に鉄の道、すなわち線路の上を走る。
だから線路というのは模型においても重要な部分だ。

線路の上を模型の車両が走る。この時、常に脱線の可能性を含んでいるのであるが、線路の精度、すなわち線路の幅や上下左右への曲がり、線路の連結面での線路同士のズレなどの精度が実物通り出来ていれば、かなり脱線の確立は低くなる。

しかし、線路の精度だけではなくて、車両側の精度も絶対に実物並の精度で作れるわけがないので、脱線対策として、フランジを大きくしたり車輪の厚さを厚くしたりしている。

そこで、線路の高さも縮尺より高くないとフランジが犬釘に当たったりする。また、線路が細いことで、施設の時に平面性を保てなかったり、直線性も悪く成ったりしかねない。

一方形態的にも、鉄道 = 線路を強調したいので大きめの方がインパクトがある。
絵や音楽で強調したいときにそれらを大きく強くするのと同じ技法である。

架線も同様に実物のように細ければパンタグラフに押され、曲がるであろうし集電も出来ない。また架線があるというインパクトも太めの方がある。


ウイーンチロル鉄道では架線は0.7mmの燐青銅線を用いている。

架線集電をしているが走行は線路からで架線からは室内灯だけである。 停車していても室内灯は点灯している。

なお、張り線は0.5mmである。




11 新しいコントローラーは便利か?

 次から次へと出る新製品。ほとんどのものは改良されて良くなっているのだが、ことコントローラーについてはどうだろうか。

まず、PWMコントローラー停止時も室内灯が点いてスローも利くとあるが、そうとは限らない。モーターとの相性がある。相性が悪いと普通のコントローラーよりスムーズに走らない。停止してもモーターが唸っていたり、車両によっては停止しないものもある。

私はしまい込んだままだ。

次にDCC。同じ線路上で複数の動力車が走らせられし音も出るという素晴らしい機能がある。これは線路にギャップも要らないし、とても便利なように思える。果たしてそうであろうか?

例えばいくつかホームがある駅を考えよう。ポイントを走らせたい線路に切り替える。アナログではこれだけで走らせることができるが、DCCではそれに機関車アドレスも入力しなければならない、ヤードから走り出すときも同じだ。

 私は機関車のアドレスをすぐに忘れてしまう。特にたまにしか走らせない機関車はそうだ。それに、アドレスの設定や速度コントロールの設定も面倒である。

音も出せるし便利なようだが、人に言えないところで苦労しなければならない。

だけど、前述のような素晴らしい機能は使わない手は無い。 便利ではないが実感的で楽しい運転ができる。 だから、私は便利さを買うのではなくて、楽しさ、実感を求めるにそれなりの苦労をしてDCCにはまり込んでいる。


それから数年

最近のDCCコントローラーはアドレスを記憶しているので機関車のアイコンを押すだけで選択できたり、デコーダーによってはアドレスなどが自動取得できて、とても簡単になっている。 しかもスマートホンなどからコードレスで操作できて、それこそ、DCCを気楽に使って実車のような運転が出来る。

この分野での日本の遅れは、まさに暗黒時代と言えるかも知れないし、それに気がついていない人の多いことか。



12 HOはNの真似をしろ! 

HOは上等でNは小さくて簡略化されている感がある。

ところが、小さくて良く走るようにするためにNでは色々な工夫が成されている。 集電方法しかり、伝導方法しかりである。

ところがHO、特に真鍮製では旧態依然の方法が多く、集電機構一つにしてもNにはかなわない。

HOでもプラスティック製のものはNと同様な機構である。そして良く走る。

だから言いたい、Nを真似しろと。

例えば車輪、車軸の真ん中で絶縁されて、両側の軸受けから集電するのがベストである。にも拘わらずHOの車輪メーカーからはそんなものは売り出されていない。カトーとトミックスの製品に使われているのみである。


左はカトーの車軸で絶縁してある車輪、右は一般的なHOの車輪、車軸では絶縁されていない。

それにしても、右のようなピカピカにメッキされた車輪は本物では見たことが無い。 日本の悪習?



13 まだまだあるけれど。
 

 
☆安いのを買って何故悪い。

 ☆子供が喜ぶからって子供のものじゃない、触らせるな。

 ☆真鍮製がプラより精密って本当?

 ☆ヘッドライトは大きくなっても点灯式にしろ。

 ☆フル編成を真似するな。

などなど、
内容は自分で作ってくださいね

いくらでも出てきて終わらないのでそろそろまとめに入ろう。



14 結論「できるだけ本物の真似をするな」

というのが結論になる。

外観と雰囲気だけ真似して、走り装置や肉厚など模型として設計しろということだ。

 走りの機構はもちろん、手にもって車輪を磨いたり観賞したりするので、頑丈にしておかないと曲がったりつぶれてしまう。



15 どんでん返し


 「できるだけ本物を真似よう」  「出来るだけ精密に作ろう」 

今まで、この反対ばかり言ってきたけれど、実はこの2つは大事なのだ。

精密で実物らしく見える模型、これは見た人を感動させる。

車両は当然だがレイアウトでも同じで、良く作り込まれた情景は見る人の目つきも変わる。

だから、「できるだけ本物の真似をするな」という部分と「できるだけ本物を真似よう」という部分の狭間で釣り合いのとれた部分を探すのであるが、それは人様々で自分の思い入れ、信念で決めるのである。

ここで言いたいのは、単に「本物を真似よう」とだけ思って鉄道模型をしていると、脱線したり動かなかったり色々な不都合があるよ、ということだ。

だから色々な知識、特に走りについてはよく考えられたNゲージの製品や、ヨーロッパ製のHOゲージの製品の良いところを研究してどんどん日本型のHO(16番)ゲージにも取り入れて行こうじゃないか。

 
私が、小型レイアウトで走らせられる製品中で世界最高クラスの走りとメカニズムを持つ製品と思っている、トミックスの名鉄モ510。

(ダイキャスト製のしっかりした床板。フライホイールつきの両軸モーター、音の静かなプラスティックギア、走行速度に良く適したギヤ比、全軸連動、サスペンションをかねた集電機構、配線を取り回さなくて済むプリント基板、などなど。 ただし欠点はDCC対応になっていない事)

おわり

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