弟のレイアウト 運転 貨車入れ替え

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弟の定尺レイアウト、貨車の入れ替えの原稿をもらいました。
日本型はケーディー、欧州型はフライッシュマンの連結解放器を使って、どちらの車両でも貨車の入れ替えを楽しんできます。

update 2006/4/4

運転 その2   貨物の入換え操作を愉しむ
運転
その1でダイヤ運転をご紹介した。その「列車運転の方法」の文中「機関車牽引の列車は終点で機回しを経て出発方向に付け換え、折り返す。また、貨物列車は2編成用意して、往路到着後は別編成に入換え、機関車もC56からDD51に変えて、復路を帰るようにしている」と記したが、実は、この「機回しと貨物の入換え操作」は「ダイヤ運転」と共に、私が運転を愉しむ大きな要素であり、ここでダイヤ運転とは分けてご紹介したい。
1.アンカプラーの設置
私のレイアウトはボード上に置いただけのストラクチャー、つまり、駅・ホーム・信号所を置き換えることで、日本型・ドイツ型に変身させるというギミックを含んでいる。
当然、車両を日本型・ヨーロッパ型に置き替えるのだが、日本型はカトーとトミックス、ヨーロッパ型はフライシュマン、ロコ、リリプト、などである。
これらの車両の連結を着脱するのにカプラー及びアンカプラーを統一する必要があるが、全てを一種類にまとめることはむつかしく、日本型はケーディー、ヨーロッパ型はフライシュマンで統一し、アンカプラーも、その2種類を設置した。
因みに、ケーディーのアンカプラー(磁石)は大きいので、カットしてグラインダーで角を仕上げ、フライシュマン・プロフィー線路の中央に接着したものである。
アンカプラーはケーディー(手前)とフライシュマン(向こう側)の2種類を設置
写真は双方開放状態を示す
2.車両のカプラー
前述のように日本型ケーディー、ヨーロッパ型フライシュマンとしたが、日本型の全ての車両にケーディーを装着するのはコストも手間も大変なので連結着脱する車両のみとし、機関車、客車及び貨物編成の両端、貨物用車掌車(緩急車)のカプラーを取り替えた。因みに、カトー、トミックス共にケーディーへの取替えが考慮されていて大変助かる。
ヨーロッパ型も各メーカーがカプラーポケット部の規格を統一していて、お互いのカプラー取替えを可能にしており、こちらは殆んどの車両をフライシュマンのカプラーに変更した。
3.連結着脱性能
肝心の連結の脱着性能であるが、ケーディーは前進してきてアンカプラー上に止まっても開放せず、少しバックしてアンカプラー上に止めて開放する。そこでは運転に不自然さがあるが、その一方、連結時には超スローで当てるだけで実に気持ち良く連結し、実感的である。
フライシュマンはアンカプラーの上に連結面を止めれば、開放レバーを操作することで確実に開放する。しかし今度は逆に、連結時には強めに当てないと繋がらず、少々乱暴な印象となる。それにしても連結後は遊びが無く確実な連結で、ヨーロッパの列車によくあるプッシュ運転でも全く不安なく走れるのが美点。加えてヨーロッパ製の車両の多くは伸縮機能が良く出来ていて急カーブで車体の連結面が接触する心配も無い。
DF50が少しバックしてアンカプラー上で止まり、オハ35を連結開放したところ
4.機回し
機回しに関しては詳細な説明は不要だろう。終着駅と設定した駅に到着した機関車牽引の列車は、機関車を切り離し、機回しを行い、反対方(出発方)に連結するもの。
というように、その方法自体は簡単なことなのだが、しかし、初めてレイアウトにアンカプラーを設置して機回しを行った時には、それが意外に面白いことを知った。
車両に触れることなく綺麗に連結を開放し、そして逆側に連結して走り出すことは、単調なエンドレスの運転とは趣きが異る面白さがあった。
連結開放、機関車の単機回送、ポイント操作、反対方向に連結、反対方向に出発、といった一連の動作は、運転操作と表現すればよいのだろうか、とにかく鉄道模型を運転する愉しさが増した。
そこから、終着駅を設定した「エンドtoエンド」の路線設定をした運転を行うようになり、その延長として後述の貨物の入換え操作へと進展した。
手前側のフライシュマンのアンカプラーで連結開放後、機回しを行うV160ディーゼル機
5.貨物入換え操作
実物の方では貨物列車の最後尾に車掌車(緩急車)を連結する姿は見られなくなってしまったが、当方の運転ではこれをキーポイントにしている。
つまり、貨物編成を換えても車掌車(ヨ5000)をちゃんと最後尾に繋ぐ設定で、その面倒な脱着や入換えを逆に愉しんでしまおう、という寸法だ。
1)C56+セメント貨物+車掌車の貨物列車が終着駅に到着する(上図)
2)C56は開放して機関庫に向かう(下写真)
セメント貨物編成を切り離して機関庫に向かうC56、入換機DE10は留置線でスタンバイ
3)入換機DE10出動、セメント貨物編成に連結
4)少し前進(上図左方向)してアンカプラー上で最後尾の車掌車のみ開放、駅に残す(下図)
5)セメント貨物編成は行き止り方向(本当はエンドレス上だが)に前進の後、バックしてヤード空き線に押し込み連結開放する
6)DE10は単行で前、後進して車掌車を繋ぎに戻る(下図)
7)DE10は車掌車を連結すると、再び前、後進して混合貨物編成を連結に向かう(下写真)
DE10が車掌車を押して混合貨物を連結に向かう
8)DE10は完成した混合貨物編成をヤードから引き出し、前、後進して出発番線に行く
9)DE10は連結開放して留置線に戻る(下図)
10)ヤードの機関車留置線から本線機DD51がシズシズと出て来て、機回し線(対向ホーム線)を使い、混合貨物先頭に連結する
11)出発時間を待ち、時間になれば混合貨物列車は出発して行く(下写真)
編成組みを完了した混合貨物の先頭にDD51連結、時間になると出発して行く
 ヤードには押し込んだセメント貨物、機関庫前にC56が休む
というのが貨物入換えの流れである。
つまり、個々の貨車の入換えを行うのではなく、貨物編成の入換え+車掌車入換え操作になる。
因みに、4)項で、セメント貨物編成後尾の車掌車を切り離さず、そのまま前後進してヤードに向かい、混合貨物に車掌車を連結して、そこでセメント貨物と切り離せば良いではないか、と思われるかも知れない。ところがドッコイ、車掌車を混合貨物に連結してアンカプラーのところまで押し込まなければセメント貨物と開放出来ないが、実はヤードの奥行きが足りない為にそれは出来ない。従って、一旦車掌車を駅で切り離すことになるのであり、車掌車を迎えに行く為にDE10を行ったり来たりさせることになるが、そこがまた、入換え運転の楽しさでもある。
時刻表上、1)から11)までの時間は6分10秒であり、その時間は余裕を持って入換え操作が出来るように設定してある。
鉄道模型の中では目立たない存在のカプラーとアンカプラー。非常に良く出来た、これらの部品の性能を楽しむべく「機回し」と「貨物の入換え操作」をダイヤ運転に組み込んでみた。その結果、運転方法のバラエティが広がり、鉄道模型の運転が一層愉しめるものとなった。
終わり

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