放射線とは何だろう
7 一般人と職業人の被曝

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2013/4/

7 一般人と職業人の被曝の制限

 
放射線の被曝についての制限は、一般人と職業人で異なります。

一般人 年間 1ミリシーベルト。
職業人 年間に 50ミリシーベルト、ただし5年間平均で年間 20ミリシーベルト。

ただし、医療被曝は含めません。

何故、一般人と職業人の制限が異なるのでしょう?
生物的に見れば、どちらも同じ人間で、職業人だから放射線に強いと言うはずがありません。

一般人(公衆)は人数が多い。
ですから、一人ひとりの放射線による影響が見られない程度の被曝でも、大勢の中には影響が出る人も現れるかもしれない。 すなわち、国家、もしくは人類を対象としてみた時に、将来何かの影響が出るかもしれない。 その危険性を回避するために一般人への制限は極力低くしてあります。

しかし、職業人は職業上放射線を被曝する環境にあるのである程度は仕方が無いし、その人数が少ないので、その人たちに何かあっても、人類に対しての影響はほとんど無い。

では職業人には多少影響があっても良いのか? となりますが、やはり影響があっては困るので一般人より許容量は多いものの、健康に害があると思われないような線量に制限しています。

ここで、人類の将来と書きましたが、それは今後子供を作る可能性のある人たちについてです。 子供を作らない年齢の人たち(言葉づかいが難しいけれど)にとっては、人類の将来は考えなくて、自分の健康だけ考えれば良いのは当然です。 でも、この点で、年寄が「若いものだけに気を配って年寄を内外にする」と言う人もいますが、考え方が全く違うのです。

さて、問題は一般人がこの年間1ミリシーベルトを超えて被曝してしまった時です。

これについて、大変な事だと言う人がいます。 たしかに、規制値を超えた事は大変なことかもしれません。 しかし、これを聞くと被曝した本人は大変な事になると思ってしまうでしょう。

でも、この制限の意味を知れば、この線量だけ被曝しても何ら問題ないはずの量であることが分かると思います。 個人が被曝して問題になるような量では無くて、物凄くたくさんの人が被曝した時に、人類全体が遠い将来何かが起き無いようにと言う制限値です。

職業的に放射線を扱っている人の中には、年間 5〜15ミリシーベルトを、毎年被曝している人もいます。それで特に障害が起こっているわけではありません。

職業人も一般の人も、同じ人間です。一般の人が 1ミリシーベルトという制限値を超えたからと言って、体に影響が出るとは考えられません。

宇宙飛行士は一日 1ミリシーベルト程度全身被曝していると言われています。一日で一般人の年間被曝限度だけ被曝していると言う事です。 半年も宇宙に滞在すれば、150ミリシーベルト程度の被曝になります。でも、それが怖くて行かないとか、影響が出たとか聞きません。


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