弟の定尺レイアウト 運転 その1

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弟は運転を楽しむために、ダイヤ運転を行っている。
その方法を伝授してもらった。

upload 2006/2/25

ダイヤ運転を愉しむ

 兄と違い、怠け者で手抜き工作専門の私であるが、楽しいことを考えるのは得意なようで、より鉄道模型を愉しめないかと色々考えた末、アメリカのレイアウトでよく行われているダイヤ運転を採り入れてみた。これが意外と面白く、すっかりハマッてしまったので、ご紹介してみたい。

何せ、たった1畳のボードレイアウトであり、小さなエンドレスで列車をグルグル回していると、飽きるとは言わないまでも、いまひとつ充実感が得られなかった。そこで路線を設定し、ダイヤどおりに走らせてみると、列車を運転することの面白さが倍増することを発見した。大げさに言えば運転に意義さえ感じられるようになった。というのも、一旦ダイヤ運転を行うと、時間設定無しに自由に走らせる時には、目的の無い虚しささえ感じるほどなのだ。

何はともあれ、実際にどのような運転をしているのか、ご紹介しよう。

  1. 路線の設定

レイアウトの線路配置は上図のように、基本的にエンドレス+リバースで、そこに2つの交換駅を組み込んだもの。

本来、走行はこのレイアウト上をグルグル回るものではあるが、仮に下図の5駅間を走る路線としてイメージをしてみた。

因みに、A.B.D.Eの各駅はエンドレス上の同じ駅であり、C駅はリバース上の駅である。

つまり、A駅から1周してB駅、次にリバースに入りC駅、向きを変えてD駅⇒1周⇒E駅終着(A駅に戻る)となる。3列車を走らせる為に、エンドレス上、リバース上の両駅共に列車交換駅であることがポイントである。 

このような5駅間の路線として設定する。実際にはA.B.D.Eは同じエンドレス上の駅


この5駅間を、A駅に1列車、C駅に2列車を停め、その3列車を交互に運転し、全列車が全線を往復して元の位置に戻るのを1プレーとしており、これにかかる時間は33分30秒である。

因みに、機関車牽引の列車は終点で機回しを経て出発方向に付け換え、折り返す。

また、貨物列車は2編成を用意して、往路到着後は別編成に入換え、機関車もC56からDD51に変えて、復路を帰るようにしている。

スタート時の各列車、車両のポジション。まずはC56の牽く貨物列車がB駅へと行く。
B駅ではDF50牽引の普通列車が来るのを待ち、普通到着後に貨物はC駅の空き番線に向かう。




機関車牽引の列車が終着駅に到着するとケーディーの連結開放、機回しを行う。

 

作成した時刻表に則りダイヤ運転するが、「電車でGO」と同じように定刻に発車し、スムーズに走らせ、穏やかに減速して停止線にピタリと止める。そこで時計を見て、定刻であれば満足感が得られる、という訳で、定刻はプラマイ3秒以内としている。

これが簡単なようだが意外とむつかしい。列車により速度設定を変えてあり、準急は速く走らす設定だが貨物は遅く、それぞれの走り方の雰囲気を出す。何より、車両によって動力性能が違うので発進、停止時のコントローラーの操作はデリケートである。

だから車両購入の大きなポイントは、スムーズな発進/停止性能の高いモデルであることで、逆にスムーズ走らない車両は、停止線を想定したダイヤ運転は不可能でさえある。

  

  停止線にピタリと止めた時に時計を見、定刻だと、えも言えぬ満足感を味わう


時計はキッチンタイマーあるいはストップウオッチを使う。従って、時刻の読み方は「○時○分○秒」ではなく「○分○秒」となるが、特に違和感は無い。

これらを使う理由は、まずはダイヤ運転のスタート時間が自在に出来ること。運転準備が出来たらタイマーをスタートさせ、発車時間になれば列車を出発させればよい。

そして最大のメリットは、途中、時間を止められることである。
何らかの理由で運転を止めざるを得ない事態が発生した時に時間が止められないと、その時点でダイヤ運転は全て狂ってしまうことになるが、それを避けられるのである。

それは例えば、あってはならないポイントの操作ミスや、たまにある脱線、そう、それに「ご飯ですよ!」という呼びかけが最大の問題で、しかし、「ハイョ!すぐに行くよ!」と、定刻どおりに次の駅までは辿り着き、そこでタイマーを止めて離れられるのであり、再び戻った時にタイマーを押すと、何事も無かったように模型はオンタイムで走り始める。

  キッチンタイマーと時刻表を運転台に掲げ、ダイヤ運転を行う。

 

 

時刻表を作成する前に各車両/列車の走行テストを繰り返し、駅間到達時間をリサーチした。

実際にダイヤは作成せず、Excel上に直接時間を打ち込んで時刻表を作り、走らせては打ち変えるという、メイク&トライの繰り返しで作成した。

本物の運転士の使う時刻表(正確には携帯時刻表と呼ぶらしい)と違い、3列車を交互に運転するので、列車と時間の組み合わせを見やすくする必要があり、これもメイク&トライで改良し、実物にとらわれず、色分けや列車写真を貼り込むなど、見た目の楽しさも加えて現在のものになっている。 


時刻表全体

時刻表全体、上から下に、左列から右列にと、表示時刻どおりに各列車を交代に運転していく。
 

 

時刻表の表示方法

   

   グレー部が貨物列車時刻、茶/青色部が普通列車と、色分けと写真も入れて判別しやすくしている。

 

 

_完璧なダイヤ運転

3列車を運転するのは前述のように発進、停止等デリケートな操作が必要だが、意外とミスるのが進行方向で、機関車牽引列車なら判りやすくミスも少ないが、DC/ECでは見た目の方向性が無いので進行方向を間違えやすい。

また、列車の運転だけでなく、ポイントの切替え操作も間違えやすく、こうした操作にミスが出ると興醒めであり、リアルな運転からは程遠くなってしまう。

したがって、

オンタイムで走行すること

車両のスムーズな走行コントロール

走行方向を間違えないこと

ポイント操作を間違えないこと

これら全てを完璧に行い、定刻に終着まで走り切ると大きな満足感が得られる、という訳である。

 

  運転 その1 完

 

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