放射線とは何だろう
11 被曝した後をみてみよう 

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2013/5/

11 被曝した後をみてみよう

 
原発の事故でこれほど被曝したとか良く言われる。
ここで被曝した事ばかりを言われるが、その後どうなったのか見て見よう。


1) 広島
原爆、原発の事故では無い。人を殺すために作った原子爆弾が爆発した。そして多くの方が亡くなった。 その原因は放射線だけのように思われているが、私は2回原爆記念館を見に行った結果、爆弾だから爆風や熱線、火災の影響が大きい事が解った。 放射線の影響だけでは無いのである。 しかし当然ながら物凄い量の放射性物質がばらまかれた。

当時は放射能の影響で今後100年は草も木も生えないだろうと言われた。
でも、今、草木は生えていないか? 人は住んでいないか?
草は焼け野原から、1カ月で生え出したそうだ。

爆心地である原爆ドームに人は寄りつかないか?  

ずいぶん前から人々は原爆ドームの前で記念写真を撮っている。 残留放射線が怖い等誰も言っていない。
 

被曝した事だけを騒がずに、その後どうなったのか見るのが大切なのではなかろうか。

広島市の女性の平均寿命は政令指定都市の中で1番だそうだ。 男でも上位にある。
これが何を意味するか? 少なくても最下位では無いだけではなく上位にあると言う事は原爆による放射線の影響をどのように考えるのか? 残留放射線のある土地で生きて来た事をどう考えるのか?

実はこの平均寿命が高い理由の一つは医療にある。 被曝者が多いのでその後のケアを他府県より遥かに行って、放射線の影響だけでは無くて、他の病気も早期発見治療を行ってきた成果だと言われている。 ちなみに被爆者の子供に被曝による奇形児の発生は見られない。

原爆記念公園は今、緑がいっぱいである。


2) 長崎
 長崎の原爆で被曝した方がおられる。被曝した線量は知らないが原爆手帳を持っておられるので、被曝した事は間違いない。 今その方は90歳近い、極めて元気だとは言えないが、被曝してもその年まで元気でおられる。 ただ目の白内障は被曝の影響か、一般的な加齢によるものかもしれないが良く分からない。

他の例で、広島で被曝して長崎で被曝した方々がおられる。 実に運が悪い、お気の毒にとしか言えないが、 被曝後70年近くたった現在、まだ存命で、その方達の集まりがあること自体凄いと思う。


3) 世田谷ラジウム
 世田谷の民家の床下からラジウムが出て来た。 この報道は物凄くセンセーショナルなもので、危険極まりない放射線源がいたるところにあり、そういう物を探し出さないと大変な事になるとばかり、いたるところでホットスポットとか言って空中線量を測定し始めた。

しかし、このラジウムのあった家庭では何十年も放射線の出ている上で暮らしていたはずであるが、92歳でも元気だそうだし、 同様に20年以上そこで暮らしている子供も健康に影響が無いとの事。 この事が解って大騒ぎしたメディアも黙ってしまった。 ごく低線量での被曝はそのようなものである。 

まあ、あの頃の事を思いだしたら解るだろうけれど、あっちっこっちでホットスポットが見つかったとか、水道水に何ベクレルあったとか、大騒ぎされた。 でも、最近ではそんな事を言う人が居なくなった。 決して放射線がゼロになったわけでは無いのに。 

4) 放射線検査
 数年前ランセットという科学雑誌に、日本でのCT検査は多くて、がんになる確率が3倍になると報道された。 統計では無くて計算上の論文である。 そしてこの事は新聞の一面に載った。日本人は世界に比べがんが3倍にもなると。
 事実、日本は世界的でもけた違いに多くのCT装置を保有していて、何かあればすぐにCT検査をする。確かに被曝は多い。

しかし、日本は世界一の長寿国である。 被曝による影響よりもCT等の検査で病気を見つけ出し、治す事の方が効果が大きいからである。 しかし報道ではこういう事は書かない。

5) チェルノブイリ
 チェルノブイリでの原発事故は凄まじいものである。大量の放射性物質が飛散した。 当然ながら人体に与える影響は大きかった。 そして多くの子供が甲状腺がんにかかった。 放射線量が多かったので低線量被曝の話とは異なる。 その甲状腺がんにかかった子供たちであるが。私の聞いた話では、その後全員治癒したとの事。 これが事実かどうかは怪しいのではあるが、全員亡くなったように捉えてしまう報道とは異なる。 

チェルノブイリに関しては、昔、講演会も何回か聞いたが、あまり覚えていないので、これぐらいにするが、被曝が大きければそれなりに影響がある。 作業員などかなり亡くなっているらしい(放射線の影響だけではなく、事故も含めて)が、ソ連時代なので、はっきりした数は分からない。 
ただ、被曝してもレベル次第では治癒する。 今では結構原発の近くで農業も行っているそうで、収穫した食物も問題ないとのことであるが、もちろん放射線量を測定しながらの話である。

なお、福島の事故での放射能の拡散はチェルノブイリの六分の一である。

6) 第5福竜丸。
 ビキニ環礁の水爆実験で原爆を見てしまい、大量に被曝された、非常にお気の毒な方たちである。 大量被ばくであるので全員水泡や赤斑が生じ、一名が亡くなられた。しかし、このような大量被曝ではあるけれど他の方は助かっている。 なお、亡くなられた1名も輸血の血液で肝炎を起こしたためだと聞いている。 
放射線の事故としては驚くほどの大事故である。 しかし、ほとんどの方がまだ御存命であると聞いた時には驚いた。 自動車事故、工場での事故、海難事故などで毎年多くの方が亡くなられているのと比較して、人間とは放射線に強いものだと、私自身驚いている次第である。

7) 被曝の結果
被曝された方には申し訳ないが今まで述べたような被曝で、影響を受けた方々の病気や健康状態などを調べることで、放射線に対する人体の影響の知識が出来てくる。 そのために被曝した後にどうなったのかを科学的、医学的に研究し分析することが大切で、それにより、運悪く被曝された方の今後の健康状態が予測できる。

この人体への影響はすでにかなり良く分かっており、分からないのは非常に少ない線量で、はたして影響があるのか、無いのかというほんの僅かな影響についてだけである。

だから、被曝したレベルが解れば、その影響もほとんど推測できるので、一般人が被曝する程度の線量で必要以上に怖がる必要は無いと言える。 ただし大量に被曝すればそれだけの影響がある事はもちろんである。


12 安全の天秤に行く。

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